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堀部孝昌、平成と令和の狭間で、ぷよぷよのプロ2年目の抱負を述べる

 

りべです。

 


平成が終わろうとしている中、ぷよぷよのプロシーンもSEASON1を終えようとしております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
節目ということで、ちょっと考えの整理をしていこうかなと思ってます。

 

目次(3959文字)

 

 

 

下地作りの1年

昨年の大会実績を並べてみます。

  • ぷよぷよチャンピオンシップ準優勝2回、3位2回、4位1回
  • ぷよぷよカップ3位1回
  • EVO2018ぷよぷよ部門・スワップ部門優勝
  • esportsMaX Gaming Festival5 ぷよぷよ大会優勝
  • 第1回ぷよテトパーティー優勝
  • 第1回ぷよスポパーティー優勝
  • 第1回つくばぷよ大会優勝
  • 第1回TBC学院カップ優勝
  • 第3回おいうリーグS級5位

こんなに実績積んでるプロ他におるか??あ、やべ、deltaがいたわ……


やはりEVO優勝+ブログ執筆がエグいほどの相乗効果を生んだようで、下半期は著名な業界人の方々に「お名前存じております」と言われること多発で恐縮の至りでした。
そのおかげでお仕事をいただいたり、またその影響で知名度が上がったりと、正のスパイラルに乗れている自覚があります。ありがたい限りです。

 

この1年で学んだ部分をリストアップすると、

  • 外側との繋がりをたくさん持て
  • なんでもいいから自分の生産物(プロダクト)を持て
  • 自分が仕事として何がどれくらいできるのか把握していけ
  • それをプロフィールとして用意しとけ
  • それをプレゼンできるようになれ

なんか、ごくごく普通の自営業じゃねーか、eスポーツ。もっとビジネスマンとしての勉強したほうがいい気がする。

 

公式大会優勝がまだありませんが、ファイナルズの優勝を飾ればより一層実績も引き締まることでしょう。みなさん応援よろしくお願いします。

puyo.sega.jp

 

ぷよぷよは『可能性』

 

「あなたにとってぷよぷよとは何ですか?」


昨年、第一回のキウラジオにゲストで出演した時の締めの質問です。
『人生』って答えるのはなんだか定型文過ぎてクソほども面白くねえし、『人生』を既に使ってるくまちょむに人生度合いで勝負するのは分が悪いなってのもあって不採用に。
自分はなんでぷよぷよ周りのことを頑張ってるんだ?という原点に戻ってみたときに、ふと出てきた言葉が『可能性』でした。

 

eスポーツタイトル全般においてですが、企業の「金になりそう」と選手の「自己実現できそう」というそれぞれの可能性がマッチしないと、まあ先はねえなと思っています。
企業はとにかく興行としてのeスポーツが優先です。まずは数字やシェアが欲しいからであり、その裏付けがないとお金を出す価値が元からないためです。
選手はそんな事情など露知らず、ゲームのプレイを通した自己実現、己の誇りのために競技をしているのであって、それを根っから奪うと上手くいきません。

 

例えば、大会やポイントランキングにおいてレギュレーションを細かく定めるのは、競技性の担保のためであり、プレイヤーにその催事を受け入れてもらうための施策です。
もしそれを安易にひっくり返すようでは、培っている信用を自分から崩している行動に他なりませんし、プロが逐一レギュレーション制定に携わっている意味も一切なくなります。
逆に、選手が有志で自己満足のためだけにクローズドな身内ガチイベントを開いたとしましょう。そこには競技性があるかもしれませんが、一切新規参入のための門戸は開かれません。
一般プレイヤーならば本人の自由と言われても仕方のないところですが、プロを冠する以上は外部への見え方に対する配慮をすることはほぼ必須と言えましょう。

 

興行のために競技性をぶっ壊すのも、競技のために興行性をぶっ壊すのも、やっていることはどっちもどっちです。
だからこそ、企業と選手が協業して行うイベントというのは互いへの深い理解とリスペクトのもと、到達点を見つけねばならないものだと認識しています。
すなわち、選手の視点は僕ができる限り発信するから、企業も一体何を目指しているのかを表立って明確に教えてくれよ。という状況です。

note.mu

 

京都eスポーツサミットで、カプコンの綾野さんが涙ながらに『獣道』のウメハラ対ときどについて語っているのを聞いて、僕はちょっと羨ましくなりました。
果たして、セガにはこれほど選手のことを深く理解していて、選手の矜持を何よりも大事に思っている思いを話せる人はいるのだろうか?
細山田さんはmomoken連戦祭のために泣いてくれるだろうか?

それはわからないですが、少なくとも彼が僕の作ったPVを公開当初にRTしてくれたのは明らかな前進だと思っています。
この一年で企業と選手の互いに対する理解は、今までの歴史にないほど飛躍的な歩み寄りを見せました。

 

企業は選手の人としての可能性を見ているから投資しているし、選手はタイトルへの可能性を見ているから金にもならないことを頑張ったりするという意識を互いに忘れないようにしよう。
というのが、私のぷよぷよの『可能性』の総括でございます。

 

 

要するに生活がしたい


さて、私自身も皆様のご愛顧を受けることにより、「金になること」と「金にならないこと」が大きく分かれるようになってまいりました。
例えば『飛車ぷよ』の運営などは完全に無償ですが、プロダクト作り、ノウハウ蓄積、キャリア形成、人材育成みたいな大筋での目的があるため、働くだけの価値があると考えた上で行動しております。

www.livedesu.com


momoken連戦祭のPV作成も、誰に頼まれたわけでもない趣味の範疇のものですが、ぷよぷよコミュニティの広報周知において大きな価値を生んでくれたと思っています。
実はファイナルズの宣材画像も独自に作ろうとしていたんですが、選手から写真素材が集まってない上に(そもそも俺のプロダクトじゃないのに作ってどうすんだろ)と思ってちょっと保留中です。

 

やるべきことは腐るほどある中、当然ですが、お金をいただく作業にはそれ相応の責任を持たなければなりません。
フレキシブルな動き方が求められている現状ですが、スケジュールがバッティングしたときに優先度が低くなっていくのはどうしても無償での活動となります。
時間が限られてくる中で、よりいっそう自分が行動する意味を意識して選択をする必要が出てくるでしょう。

 

また、ぷよぷよのプロの間でもマネジメント契約やスポンサー契約が散見されるようになってまいりましたが、未だ選手としてではなく出演者、タレントとしての意味合いが強いです。
これはなんでかって言いますと、現状選手として宣伝効果が見込めるほどの活躍の場が公式大会しかないためです。選手個人に広告を出すメリットがそもそも薄い。
SEGAのぷよぷよの広報施策は一般層寄りであるため、メディア露出に関するお仕事が多くなるのは当然と言えます。

 

私は、選手が、選手として、生業を成すストーリーが見たい。

最強格のプレイヤーが、deltaやマッキーが、もっと称賛を浴びるヒーローになる世の中が見たい。


そのためには、第三者企業や海外団体からの賞金付き大会が開催されることがまず不可欠と言えるでしょう。衆目を集める場がまだまだ足りません。
であるからこそ、discordで海外と日本の接点を設けるよう場を提供したり、eスポーツイベント参画企業にご挨拶回りをしている、という活動に繋がっています。
今年はそれが形として実る一年であってくれれば、という一心です。

www.livedesu.com

 

ただしこの活動は、おそらくはライセンスプロゲーマーの既定路線とは少しズレており、それが未だに私が兼業である理由の一つでもあります。ほんま、キャリアにならないですこれ。
もとより一銭も得られていない活動分野の仕事ですし、仮に賞金付き大会の開催が成就したからとて、私自身が選手としてそれを生業にできるかどうかは全く保証がないです。
定例的な出演のお仕事もそれなりには増えてきましたが、結局仮に本業を辞めようにも、辞める先のビジョンがさっぱり見えてきません。
私だって当然生活をしなければ飢えますし、飢えれば痩せるしやがて死にます。

 

 

 

本日の悩める青年のお話です。結局のところ誰しも、直面しているのは仕事とプロゲーマーを天秤にかけなければならない現状です。

「プロになったらその先はどうなっているの?」という部分を私自ら開拓して、彼らの後押ししていかなければならないけれども、私自身が兼業であることはやはり説得力に繋がらないのもまた事実と理解しています。

 

でもやはり、ファーストキャリアもセカンドキャリアも確固としていない中で、ぼんやり泳ぎ続ける生活の30歳無職になるのはさすがにヤバい。なおのこと説得力がない。
ですので、私に興味がある企業各社の方々、もし確保するなら今が旬です。お待ちしております。
一応、ゲームと執筆活動と実況解説と広報とイベントコンサルとWebサイト弄りがちょっとずつできます。よろしくお願いします。

 

 

 

色々書きましたがひとまず、この一年で見えてくるものが大分具体性を帯びてきたなという点で、万感の思いが巡ります。
令和元年もとい、eスポーツ元年となる今年度も、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 

ではまた。