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ぷよぷよクロニクルは何故”引けない”のか?

 

ぷよぷよについてのお話。

 

昨今において、ぷよぷよシリーズは数多くの機種とタイトルで発売されています。
中でもぷよぷよの上級プレイヤー達が、世間に幅広く認知させてきたルールが『ぷよぷよ通』です。

 

このぷよぷよ通というルール、微細とはいえ機種やタイトルによってゲームバランスに差があります。
上級者同士にとっては「当たり前」の話であり、新作に難癖がつけられやすかった原因の一つでもあります。

 

今回は表題のテーマのために、機種による特徴、及び取るべき戦略の差について言及していこうと思います。
人によって大きく意見が食い違ったりするため、あくまでご参考程度にお願いいたします。

 

以下は、私がやりこんだと思える機種の中でゲームバランスの良いタイトル3つになります。

AC ぷよぷよ通(≒MD,VCA)
PS4 ぷよぷよテトリス
3DS ぷよぷよクロニクル

 

この3タイトルをどう比較するかなのですが、
正直なところ、ツモ速度や連鎖速度のような各要素を数値化するといった、
いわゆる定量的な評価というのはあまり意味を成しません。

 

何故かというと、これらの各要素は互いに密接に食い込んでおり、
分離させて考えたところで採るべき戦略がまるで見えてこないからです。
ABCや★の数で評価するのは見てる側も楽しそうなのですが…こればっかりは仕方ない話です。

ですので、まずは各3機種の特徴を簡単に整理し、
その後それぞれの機種間にどのような差異があるかを探っていきたいと思います。

 

AC ぷよぷよ
全てのぷよぷよ通ルールの生みの親。
コンパイルが製作したシリーズ第2作目にして最高の完成度を誇る作品。
20年以上もの間愛され続けることとなる伝説のタイトル。

プレイヤーに選ばれた作品であるが故にそのゲームバランスも圧倒的であり、致命的な穴がない。
後々の比較対象となる作品なので当然と言えば当然なのだが。

特記事項は実用~曲芸レベルの設置キャンセルの存在。
ツモの回転速度をどの高度においても瞬発的に上げることが可能であり、
操作の練度によって大きく実力に差がつくこととなる。

戦術の黎明期であったことと、この操作練度に依存する「間に合わせ」があったおかげで、
momokenを中心とした世代により「後打ち至上主義」が根強く確立されていくこととなる。

 

PS4 ぷよぷよテトリス
SEGAの乾坤一擲の隠し玉。
国民的パズルゲームであるテトリスぷよぷよを融合させた正統派パズルの王。
今回はぷよぷよ同士の対戦についてのみ着目する。

テトリスとのバランスを考慮した上で、基礎のゲームスピードが底上げされている。
プレイヤー自身にも、”ACからの正統進化”を促すかのように高い人間性能を要求する作品。

特記事項はツモ速度上昇による中盤戦の激化。
「後打ち至上主義」に染まっていたプレイヤーは、6~8連の対応まで要求されることとなる。
見ごたえのある殴り合いの展開が頻発する機種となった。

そんな中、Tomの卓越した形勢判断力に基づく先打ち確定デッドラインの模索と、
liveによるアグロ、ミッドレンジ、コントロールといった戦略体系の定義が進むこととなる。

 

3DS ぷよぷよクロニクル
SEGAの単独タイトルシリーズ最新作にして、ネット対戦環境の集大成。
銘打ったRPGのほのぼのさとは裏腹に、正常に機能するレーティングシステムによって管理される実力差。
ゲームバランスについても非の打ちようがない完成度を誇る。

ぷよぷよに特化した作品であるが故に、ぷよテトからさらに独自のバランス調整を遂げた。
瞬発力で闘うゲームをややマイルドにし、一手ごとの重みを増やした形になる作品。

特記事項はお邪魔の降りはじめの速さ。
正確には前作からなのだが、相対的な環境変化でより精密な凝視、柔軟な択の保持形を求められることになる。
それも影響し、対戦の見た目の派手さについては、他の2機種に一歩譲る形となっている。

ちぎりロスの相対的増加という向かい風を追い風にしたのがひじき。
”ちぎってでも良型を目指す”という今までの風潮に一石を投じることとなった。

 

このように各機種にはそれぞれ特色があります。
それに加え、戦術戦略の変遷の歴史が機種へのイメージをさらに強くしていきます。

 

 

今回のテーマを振り返ってみましょう。
ぷよぷよクロニクルは何故”引けない”のか?」

 

単独タイトルでのシリーズ最新作であり、ぷよぷよ通の対戦という部分では別の機種から主戦場を移してきた方が大半です。
では、それぞれ別機種から移ってきた場合、ぷよぷよクロニクルに対しどのような印象を受けるのでしょうか。

 

ACぷよぷよ通→3DSぷよぷよクロニクル
「バランスはいいけど、キャンセルがないから緊急時に発火色が引けない!クソゲー!」

PS4ぷよぷよテトリス3DSぷよぷよクロニクル
「全体的に前よりツモの速度が遅いから発火色が引けない!クソゲー!」

(備考)Winクラシック、その他DSタイトル→3DSぷよぷよクロニクル
「それなりにツモれるけど、ツモ補正がないから偏って発火色が引けない!クソゲー!」

 

今までの機種に対する相対的なバランス調整の影響でどこからプレイしても”引けない”ゲームになってしまっています。
これが得も言われぬ理不尽の正体なわけです。

 

マイナスイメージがある、という事実を頭の片隅に入れておくだけでも、多少はストレス緩和になるかもしれません。
そもそもぷよぷよ通というゲーム自体、運要素に左右されるものであることと、
自らもその恩恵を受けることも多々あるというのは忘れたくないですね。

 

運要素があるからこそ、このゲームは最後まで楽しい。

 

 

苛立ちで周囲に八つ当たりして後に”引けない”状態になるよりも、
そこで一歩、身を”引ける”プレイヤーになると、より素敵ですね。

 

お後がよろしいようで。
以上、本日の落語でした。