おいうりべです。
Q:おいうって何?
A:あいさつです。おいう。
(5339字)
目次
・ぷよぷよというタイトルに与えられた宿題
序段です。
先日、なぞべーむさんの記事で今後のぷよぷよの期待と不安についてを取り上げていただきました。
いや本当にすごい記事でした。何がすごいかって、ぷよぷよ界隈の動向をちゃんと以前から追っていて、調べてないと到底書けない記事だというところ。
とにかく、僕らからは切り込みにくい話題にも恐れず立ち向かうし、それでいて周りを黙らせる文章力と配慮。敬意しかない。
僕らの中ではタブー的な扱いをされている事象にも触れていたので、周りから何か言ってくるかなとも思ったんですけど、観測してる中ではびっくりするくらいに受け入れられてましたね。
「いい加減に叩く人」ではなく「ちゃんと見て指摘をする人」のことは、やっぱ好きになれるんですよ。
で、そのなぞべーむさんの記事から、色々と現状に対する課題をいただいているわけです。
八面六臂とも器用貧乏とも言える活躍をしている僕視点としては、どれも首肯するような内容ばかりで。
・esports周りの情報が少なすぎる
・公式の広報の役割がよくわからない
・シーンを育てていく必要がある
みたいなところですよね。
誤解されないように言っておくと、内外を見てきている僕からすると、セガの方々はプロ化以降ものすごく尽力してくださっています。現場の方々がサボっているわけではないです。
そしてさらに、こういった言い方をすると内側の内側(セガ内での予算繰り、事業の立ち位置、展望、マンパワー等々)についての疑いが持たれるかもしれませんが、そこについてはそもそも知る由もないですし、僕らからはやたらと詮索すべきじゃないよなー、と思うのです。
真っ向から、実績やらムーブメントやらを生み出して、「僕らには市場価値があるぞ!」と認めさせて、正攻法で企業を動かしてこそのプロなわけですから。
※なので、外部から見たときに「選手が粒揃い」と言ってもらえるのは、いわば企業の動き方次第でもっと上手くやれる土壌があるだろ?っていうトスなので、本当にめーっちゃくちゃ感謝してます
さて、そういうわけで我々は何をするか。僕らが今メーカーに対して提供できるのは、プレイヤー視点の意見くらいなものです。
メーカーもそこが課題だと思っているからこそ、ぷよぷよキャンプというコミュニティサイトを立ち上げて、できる限りプレイヤーの意見を集約して吸い上げたいと思っているんですね。
じゃあそういった要望の集大成となっているもの。今、プレイヤー達から最も支持を受けている大会は何だろう。
そう。お察しの通り、プレイヤー達がずっと追い求めてきて、現在ぷよぷよにおいて最大級の参加者を誇る大会。その答えが『おいうリーグ』なのです。
・『おいうリーグ』ってなんやねん?
一言で言うと、ぴぽにあくんが主催である、ユーザーのユーザーによるユーザーのための大会。
系流で言うならば、ACぷよぷよ通で行われていたS級リーグのスピリットを受け継いでいます。
短い本数で最強を決定づけることができないなら、確証の取れる本数で総当たり戦を行い、プレイヤーの格付けをしようというコンセプトの大会です。
対戦プラットフォームは、3DSソフト「ぷよぷよクロニクル」を採用した、オンラインでのリーグとなります。
参加者は前回(第2回)で200人超え。
そう、ぷよぷよカップが現在オフライン最大規模の大会であるならば、おいうリーグは現在オンライン最大規模の大会なのです。
今回(第3回)の情報まとめはこちら。
第1回、第2回の開催履歴はこちら。
また、第1回、第2回共に有志でのPVも用意されています。
おいうリーグの一部試合をピックアップした僕の解説記事『覇王の慧眼』はこちら。
このリーグがすごいのは、完全に個人主催であり、ネット上で進行上の協力者だけ募っていて、それだけで成り立っている点。
第2回が終わった後にPV撮影・編集メンバーで打ち上げ飲みとかは行きましたけど、特別組織立った動きをせずともこれだけの規模の大会ってできるんですよね。
おいうリーグは年に2回ペースで開かれており、第3回がもうすぐ始まろうとしています。
何やら今回、システム自体やリーグ後についても色々と新しい企画を立案しているとか…(持ち掛けてるのは僕なんですが)
ちなみに第3回での現段階の変更点として、「D級リーグ」が新設されています。
こちらは初心者~初級者の方々に向けてのリーグとなっており、今までぷよぷよが課題として持っていた「新規参入者がランダムマッチで勝てず、なかなか同レベル帯が見つからない問題」の解消を一つの目的として敷設されたものです。
是非この記事を読んでいる一般プレイヤーの方々も、同レベル帯のライバルプレイヤーが見つかる可能性がおおいにある「D級リーグ」。この機会に参加してみてはいかがでしょうか。
応募方法はこちらから。
・主催のぴぽにあの人気の理由
第2回ぷよぷよカップにおいて謎の声援の多さを博していたおいうリーグ主催のぴぽにあ。シーンをよく知らない方からすると、何故彼が人気なのかわからないと思います。
彼は第1回のおいうリーグを開催するにあたって、土壌のない中プレイヤーのリーグ分けをどう判定するか思案に暮れていました。
考えて考えて考えて、geniusな世界のぴぽにあは画期的なアイデアを思いつきます!
それは「自分が全員と30先を期間中何度も行い勝ったやつだけがA級に進出」という超脳筋解決法でした。
彼が期間中何千試合したのかわからないし、普通に体調を崩してて相当周囲から心配されてました。でもそこまで負けてなかったのは本当にすげえ。
まあ、こういうエピソードで大体わかると思います。要は彼、「愛すべきバカ」なんです。ゲーマーは面白くて行動力があって少し抜けてるやつが本当に好き。
しかも、ゲームに本気なやつといい加減なやつって、態度見てればなんとなくわかるんですよ。
以前覇王の慧眼でも書いた通り、50先で僕にダブルスコアにされてガチ泣きできるくらいゲームに本気なやつ、そんなの我々が好きにならないわけがない。
おそらく、背景的な人望もあると思います。
2016年4月に一度ぷよぷよ界隈がまるごと炎上のような形になり、結果的にACぷよ通で行われてきたS級リーグの担い手はいなくなってしまいました。
ぷよぷよに関わる多くの人々がしんどい思いをしていましたし、ぷよぷよから離れていってしまった人も当然いました。
ただ、残った人々はコミュニティの灯を絶やしてはまずいと考え、例えば僕とTomがTwitchで毎日のように連戦配信をしたり、
ぷよえ~んの飛車ちゅうを筆頭に、列強争覇戦という新しい全国規模のイベントを開催したり、各々尽力していました。
そんな中、最大級の求心力があったS級リーグという格付けイベントを、諦めずに自分なりの方法で復興させようと動いたプレイヤーは彼ただ一人だったんですね。
逆境から、覚悟と責任を持って一人立ち向かう姿。そんなのもう、どう見ても世界の英雄じゃないですか。
ぴぽにあファンクラブが圧倒的な人数を誇る理由、おわかりになりましたでしょうか。
・「魅せる大会」と「究める大会」
さて、ここまで説明してきたとおり、ぷよぷよカップとおいうリーグ。イベントとしての立ち位置は、位置づけが全く違います。
ぷよぷよカップ/チャンピオンシップは、「魅せる大会」です。新規層に興味を持ってもらい、オーディエンスに対して(ぷよぷよとかぷよらー、おもしれえじゃん?)と感じてもらう大会です。
対して、おいうリーグは「究める大会」。(ぷよぷよやぷよらー、おもしれえじゃん?)と思っているプレイヤー同士が、お互いに納得のいくようなシステムを作り競技としてプレイする大会。
これは、どちらの大会が良い悪いではなく、相互的に見習う余地がある上に、さらには相乗効果をもたらせるものだと思うんですね。
話は飛びますが、先日、ウメブラ(スマブラのユーザー主催大会)に見学で行ってきました。いやあ規模がすげえすげえ。300人近い。しかも進行がめっちゃ手早い。
なんでこんなにスムーズかって言うと、参加者が大会の大筋の流れを理解しているし、レギュレーションに従って設定も参加者がぱっぱと済ませちゃうからなんですよね。
オフラインイベントでこれを成り立たせるのすごいなって思って見てたんですが、よくよく考えればおいうリーグも構造結構似てないか?って思ったんです。
「究める大会」は、現場の人間が場に即した最強のシステムを作り上げるので、どこよりもスムーズな進行のノウハウを累積していくんですよね。
つまりどういうことかっていうと、
「究める大会」サイドは、「魅せる大会」サイドのプロモーションの仕方、アプローチのかけ方を学んで、さらに魅力を増していけばいいし、
「魅せる大会」サイドは、成長した「究める大会」サイドの現場のノウハウを逆輸入しまくって、システムをより成熟させていけばいい。
多分、これ両方が成長していくと飛躍的に大会の内容が良くなっていくし、規模もどんどん大きくなると思うんですよ。
ぷよぷよのesportsのやり方は周回遅れ、みたいに言われてしまうのは
「魅せる大会」サイドが進行上見習うべき参考情報が少ないのも一因なんじゃないか、ってのは思うんですよ。
「究める大会」サイドの運営が毎度変わってしまって的確なノウハウが培われていなかったり、挙句はS級リーグ→おいうリーグのように別の大会になってしまったりで、長年やってきた割には必要な情報を累積しきれておらず、メーカーに対して現場育ちの【最強のシステム】を提示できていない。
もちろん、ユーザー主催大会のプラットフォームがずっとACメインだったのも原因の一つでしょう。
だから、おいうリーグの発展は今後の様々な大会運営においてキーポイントたり得るんですよね。
最もユーザーの現状に即している大会運営なので、バンバン参加して、どんどん意見を出すのが良いでしょう。
そしてこれはおいうリーグに限らず、新たなコンセプトのオフライン大会であったり、グローバルな大会であったり、そういったところにも同じことが言えます。
ぷよぷよ連盟時代からS級リーグ運営に携わってきた最強のオーガナイザー飛車ちゅうをはじめ、
ぷよぷよニュースという情報サイトの運用と、公認大会であるぷよテトパーティーの主催を担っているへーょまはなど、
まさしく「選手は粒揃い」ですからね。今後、大会運営のシステム面はさらに改良されていくでしょう。
・僕が思ったユーザー主催イベントの指針
・運営が楽しいと思うイベントこそが長続きする
ウメブラを観戦してて思ったのは、運営メンバーが試合結果に一喜一憂してる。すごく余裕がある。
そしてそれを、ちゃんと言葉や行動に出す。すげえときは「すげえ!」って叫ぶ。そういう空気が、参加者にも伝わって盛り上がってるなぁって思ったんですね。
スマブラ全然わからない僕ですら白熱してましたし。
何が一番驚いたかって、300~400人規模のオフライン大会を年に8回ペースで行っているってのが一番ビビったんですよ。
いかにオフラインイベントに強いスマブラ界だからといって、4年間このペースで続けるのは僕らからすると本当に想像もつかない。
でも、会場の彼らを見てるとわかるような気がしたんですよ。これ、単純に楽しいからハイペースでやってるんだな、と。
運営が楽しみまくること、忘れちゃいけないなと再確認させられました。
・プロだとかプロじゃないとか、そういうところってあんまし関係ない
8月のfronくんを見ていればわかるように、日頃から模範的にぷよぷよ頑張ってる人は、プロになろうがなるまいがものすごく応援されるんですよね。
これって逆も然りで、普段ぷよぷよに対していい加減な人が偶然プロになったとして、そのままの考えで活動してたら当然周囲から反発を買うわけですよ。
プロになったからって何かが突然変わるわけではない。プロになって頑張りたい、ではなく、ずっと頑張ってきた人達が結果プロになった、ってのが順番としては正しいですよね。
仮にぴぽにあくんが6月にプロになれてなかったとしても間違いなく僕はおいうリーグを激推ししていましたし、プロってのは単にスポットが当たるきっかけに過ぎなくて、大事なのは「どういう熱意を持っていて、何をやっている人なの?」って要素だけだと考えてます。
だから何かやりたい熱意を持ってる人は、今すぐ始めちゃおう。イベントも、今すぐ立ち上げちゃおう。って感じですかね。
まあまあ、色々書きましたがとりあえずおいうリーグ参加しようぜってことと、A1リーグに出る僕を応援しとけばいいんじゃないでしょうか。
よろしくお願いします。
ではまた。