僕が『ぷよクエ』のギルド運用で失敗して学んだ、組織を上手く回すための考え方

 りべです。

 

 

 

 

最近の出来事ですが、なにやら揉めてますね。
こういうの、毎度毎度あることなんでどっちが捏造してるとかどっちが正しいとかはあんまし興味ないんですよ。ただわかることがひとつだけあって。
それは『理念の合致しない組織に入ることはお互いを不幸にする』です。

 

チームでもサークルでも職場でもコミュニティでも大体なんでもそうな気がします。

周囲から浮く人間はどうしても居心地が悪いし腫れ者扱いされちゃうし最悪迫害もされやすい。もうそういうもんだと思ってます。人間である以上。

 

 

ちょっと昔話をしましょうか。

 

目次(3926文字)

 

 

 

月間1位を争っていた2つのギルド


昔々、サービス開始直後の「ぷよぷよクエスト」には、それはそれは一二を争うほどのトップギルドマスターが2人おりました。
ギルドのランキングを決める要素は、クエストをクリアするごとに得られる報酬を、所属する個人が任意のタイミングでギルドに上納するシステムでした。

 

そのギルドマスターの一人は、とてものんびりやさんでした。
およそトップ層のギルドとは思えないほどの緩い規律で、そこは最低限の上納だけしていれば比較的自由が確保される場所でした。
ただ何故か彼の周りには不思議と人が集まり、彼のために尽くしてくれる熱心なメンバーに恵まれていました。

 

一方もう一人のギルドマスターは、とてもがんばりやさんでした。
毎週ギルド内貢献ランキングをつけて公開し上位層のモチベーションを高め、優秀な人材獲得にも非常に精力的な急進派でした。
彼の周りには自分の力を試したい人間が多く、精鋭と呼ぶに相応しいメンバーが集っていきました。

 

そしてある月、ついに決戦の火蓋は切って落とされました。
がんばりやさんは、持ち前の人脈とSNSでの広告戦略を駆使し、各ギルドに点在するスタープレイヤーを集めた急造のドリームチームを結成することに成功します。
個人ランキング上位を席巻するようなメンバーだらけのギルド上限50人で構成され、もはや敵はいないことは誰の目にも明らかでした。

 

一方のんびりやさんはそんな動きがあることを意にも介さず、マイペースなギルド運用を続けていました。
しかしどうにもランキング1位を諦めている様子でもなさそうです。一体どんな秘策を用意しているのでしょうか…?

 

 

 

それぞれの末路


がんばりやさんはギルドの貢献ノルマを一時的に引き上げ、この月に全てを出し尽くす意思表明をしました。
すると、ちらほらと過酷な環境についていけなくなり、ギルドを抜ける者が現れ始めました。
その脱退は雰囲気の悪さに繋がり、さらに波紋となり大きく広がっていき、ついには主要メンバー同士の致命的な不和の引き金となりました。

 

「こんなにも俺が身を削って間を取り持っているのに!あいつらはなんなんだ!」
がんばりやさんは怒りました。最終的に、メンバーは30人ほどにまで減ってしまいました。
しかしそれはもう月末の話。現段階のランキングをみると圧倒的な1位であり、周囲とも大きく水をあけています。
(この粒ぞろいのメンバーならば今月は十分に逃げ切れるだろう。)
そう思っていた矢先でした。

 

のんびりやさんのギルドが急激に、異常なほど順位を上げ始めたのです。
(絶対におかしい、精鋭メンバーに匹敵するほどの生産力は奴らにはないはず!何が起こってるんだ!?)
焦ったがんばりやさんがリサーチをかけてみると、なんととんでもない事実がそこには隠されていました。

 

それはのんびりやさんのメインギルドに対し、サブギルドから常にメンバーを入れ替えて上納を続ける人達の姿でした。
ギルドを頻繁に変えることは個人にとってデメリットしかありません。それでも誰もが自分の貢献度リセットを厭うこともなく、主のために上納を続けたのです。
推定、30人VS150人。その圧倒的な物量差は、またたくまに戦場を支配することとなりました。

 

さながらこの制度は「参勤交代」と呼ばれ、長い間ぷよクエの歴史に名を刻むこととなります。
かくしてその月のギルド1位はのんびりやさんが獲ることとなり、平成の徳川家光が燦然とそこに君臨していたのでした。
めでたし、めでたし。

 

 

 

めでたくねえ


えー、これ2013年8月(9月?)に実際にあった話で、がんばりやさんが僕でのんびりやさんトムソンさんです。

 

www.youtube.com

 

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6月あたりの参考画像。もともと稼働直後にmomokenが立てたギルドを、「飽きた」って言われてギルマスを引き継いだのが僕でした。

 

 

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やべえくっそ懐かしい。こんなんよく手作業で集計してたな。

このwaffle24ってのは以前紹介したように、12月にプロプレイヤーになったわっふる先生です。初々しい。

今ではすっかり彼もトムソンの毒牙にかかってしまいました。

 


なんかこのメンバーの並びの時点である程度面白いんですけれどそれはひとまずおいといて。

 

 

僕が失敗したのは、個々の能力は高くとも空気の良くない組織を作っちゃったせいです。
なんで雰囲気が悪くなったかというと、目先の目標に追われて過酷な環境を作っちゃったから。
目標が短期的かつ前のめりすぎて、根っこの考え方がバラバラな人達を無理やりひとつにしてしまったからですね。

 

逆にトムソンさん側が上手くいった理由は、個人の能力よりも意志を尊重したからに他なりません。
トムソンさんが面白いとか、彼の作る居場所が楽しいとかが原動力になっているので、多少の無茶もできてしまう。
ひとつところに集まっている人達の考え方、理念がブレていない。これが一番大きかったわけです。

 

すなわち、目的意識が統一されていたり帰属意識の強いチームの方が、長期的に見ると成果が出るというワケ。

 

 

 

同じ属性の人間をまとめすぎるな


でも結構、コミュニティとかゲーミングチームとか、この僕のタイプの過ちをやってしまいがちなんですよね。
ゲームが強いっていう括りだけで考え方も理念も何も合致してない人間を一緒くたにしてしまう。
そんなんどう考えたって2000000000%揉めます。
やってることが、RPGで例えたら戦士10人パーティーで冒険にでかけてるようなもんですよ。脳筋PT。

 

しかも同じ役割の人間をやたら突っ込んでしまうと、協力し合うどころか争いだすんですよね。
いわゆるポジション取りに躍起になるわけです。自分の存在意義を確保しにいってしまう。
それでいて必要な役職は穴だらけですし、組織としてはぶっちゃけ最悪です。

 

でもこれって組織を作る側だけじゃなく一部脳筋戦士側にも問題があって、独自で別スキルを持っていれば分担が可能だったりもします。
物書くスキル、交流広げるスキル、喋るスキル、イベント開催スキル、機器設営スキル、ゲーム周りだけでも役立つスキルは色々あると。
組織を円滑に回すためには、それぞれがスキルを習得して役割分担する意識が不可欠なのかなとも思います。

 

 

 

 

理念に賛同せよ


始めに戻りますが、だからこそ理念をしっかり看板として掲げている組織はそこがよくわかってるんだなあと思うんですよね。
最近だとウェルプレイドが明文化していてさすがやな~と思っていたところです。

 

wellplayed.media

これねえ、読んでるとほんと(あ、しゅき……)ってなる。

 

 

特にesportsみたいな未開拓分野は一体何に向かって努力すればいいのかわからない人ばかりです。
行くあてもなく彷徨い続け、せっかく続けてきた価値あることを疲弊してやめてしまう人を何人も見てきました。
そういった人達にこそ具体的な指針を、目標を、理念を示すのが、組織のトップの役割であると僕は思います。

 

 

全然この記事と合わせるつもりなかったんだけど、ちょうど今日ウェルプレイドに行ってきました。一応ですがこれは断じてステマでもお金が発生している記事でもないです。本当に僕の趣味です。 

 

あ~~でもそれはともかくやっぱり理念に賛同できるところで仕事したいよな~~~と思う堀部でした。

 

 

それではまた。