紡がれた『物語』はいずれ『歴史』となる…SEASON1の締め括りに相応しい腕力の戴冠 ~2018年度ぷよぷよカップ&チャンピオンシップ2月大会レポート

りべです。 

 

2月大会です。今期ラストの公式一般公募大会です。このレポートも大分様になってきたことかと思います。現地でも多くの方に「記事を楽しみにしている」と言っていただいており何よりです。ありがとうございます。

 

今回は本当に書きたいことが多い。毎回同形式の大会だとそろそろネタ尽きるんじゃないかと思ってたんですけど、いやはや恐ろしいですね浅草橋ヒューリックホールの魔力というものは。僕としては過去最高を更新するほどに感動的な大会でした。

前置きもそこそこに参りましょうか。

 

目次(7348文字)

 

 

 

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プロへのゲートキーパー

今回のぷよぷよカップは僕にとって宮崎行きのかかる重要な試合。なんであろうと抜けなければならない決死行でした。

 

なんとか、前回の予選落ちを引きずらずに全勝。

宿敵selvaを下し全勝の決勝トーナメントへ。そこで目にした構成は、なんともはや運命的なもので。

 

 

 

しばかず。

それは僕が1,2を争うほどにプロになって欲しいと願っていた男。

ぷよぷよの実力も、誰よりも突出した大連鎖力も。それでマネタイズする行動力も、人に愛されるキャラクター性も、Twitterのいい加減さも、全てを兼ね備えている男。

 

彼が前回ベスト16で敗れ、うなだれる姿をしっかりと僕は眺めていました。

それを何故ここでぶつけてくるのか。

 

 

断腸の思いでした。フルセットでどちらが勝ってもおかしくなかった。

 

更に僕の予感は的中します。

 

トムソン。

それは僕と十年来以上の知己であり、誰よりもプロになることを望まれている男。

せっかくだし彼のチャンネルの紹介記事を書こうかな~と思ってこの間簡単なインタビュー文を送ったけど、結局返ってきてないから企画が永遠に保留になっている男。

 

彼も前回ベスト16で敗れ、うなだれる姿をしっかりと僕は眺めていました。

それを何故ここでぶつけてくるのか。

 

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筆舌に尽くしがたい感情でした。

 

なんなんだろう。僕にとっても、彼らにとっても試練なのか?

ぷよぷよの配信者の中では、どちらも異様な人気を誇るスタープレイヤーです。

勝ってほしい、でも負けたくねえ、勝ちてえ、でもプロになって欲しい、つらい………

 

 

でももう、勝つための最善を尽くした僕が、敗者にかけるべき言葉は慰めの言葉ではないだろう。そう思っています。

また勝ち上がってきてください。待ってます。

 


フランクな謎の強キャラ、瀬田凪

そんな中でもしっかりと、今回も2人のプロが誕生しています。

一人はあまり聞きなれない名前である瀬田凪。

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実は壇上でも少し話した通り、僕はこの方を昔から知っていました。むしろ、数年前ですら僕と互角に渡り合えるほどの実力を持つ“若手”でした。

彼は関西の方だったので関東に遠征して来て連戦をしたり、逆に僕が関西に行って連戦をしたりと、タイミングが合う時はバリバリオフラインで対戦していました。僕は内心新たな風の台頭に心を躍らせ、強い期待を寄せていました。

でもそんな気持ちとは裏腹に、彼はオフラインでのぷよぷよ対戦から次第に一線を引き始めます。

 

 

何故だったのでしょうか。僕に彼の当時の心境を推し量る術はありません。

地元ではちょくちょく会合に顔を出していたようですが、本腰を入れてぷよぷよに取り組んでいる様子はありませんでした。ことあるごとに、「復帰しない?」みたいな振りを入れたこともありましたが、一向に色よい返事はもらえませんでした。

 

 

そんな彼が、12月。瀬田凪という名前を引っ提げて、ぷよぷよカップに来ていたんです。それはあまりにも唐突過ぎて、最初は誰なのかわかりませんでした。会ったのすら数年ぶりです。

彼もまた前回、ベスト16で敗れていました。本当に僕はワクワクしながら、その後一緒に飯を食べに行って、当時を懐かしむ話をしたりしていました。

 

非常にアグレッシブな攻めを特徴としていた彼は、長年の空白期間を経て安定志向のスタイルをも習得し戻ってきました。元より高い地力、乱戦力は僕のお墨付きです。

さて、彼が一体何者なのかを、全て僕の口から語ってしまうのは野暮というものでしょう。謎があってこそ映える者も居ていいんじゃないかと思います。どうしても気になる方は、今後の彼のインタビューに期待しましょう。

 


謹厳実直な競技人、MGR

対するもう一人の新プロは、無骨ながらも技術を極め続け、とにかく実績を積み重ねてきた関西の武人、MGRです。

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学生選手権準優勝、ぷよテトA級、おいうリーグA級など、彼の名前は至る所に刻まれています。日々少しずつ、ただ黙って自らを鍛えるその実直さはプロと呼ぶに相応しいストイックさです。

 

スタイルとしては冷静沈着かつ中盤の応手を多く持つ攻守兼用型であり、迂闊に先打ちしてしまうようならばスコアラーとしても鍛えた本線力で反撃。かといって放置しておくと連携が飛んでくるという、相手にすると非常に厄介なタイプです。

大会当日はかなりの好調だったように見え、あの最強の若手マッキーを破るなどの大活躍を見せました。

 

やや堅物なところもありますが、ぷよぷよの対戦に関する話が本当に好きな方です。どんどん技術的な考察を振ってあげると、喜び勇んで答えてくれることでしょう。そしてエンターテイメント性の高いSEGAと絡むことで、また彼の新たな一面が垣間見えることもあるのではないでしょうか。

現在は九州に住んでいるということなので、周辺の活発なeスポーツ団体からのオファーが殺到する説がありますね。プロ就任早々の活躍が期待されます。

 


現代最強、deltaの猛威

そんな勢いに乗っている新プロ達のうち、瀬田凪をも沈めてぷよぷよカップ2連覇を果たしたのはやはりこの男だった。

 

 

巨人の火力、delta。

もう幕間の裏方でずっとTomと話してましたよ。「俺たちはmomokenに次ぐ新たなモンスターを生んじまった」って。やつの試合の安定感は桁違いになってしまった。

 

そりゃ今までずっと推していきたかった気持ちはある。でも。でもだ。モンスターはヤバい。誰かが止められるようにならなければ、公式大会はディストピアになっちまうんじゃないか?2先の大会でそんなことがあっていいのか?

 

 

最近のツイートは感情すら失いかけている。やつを満足させられるやつがこの世にいないんだ。ヤバい。理性を保て。本当の怪物になるんじゃない。

誰かが、こいつを止めなければならない――

 

一体、誰が―――?

 


覇王の真価、四面楚歌

そして舞台はぷよぷよチャンピオンシップへと移ります。

 

そりゃそうだ。皆が真っ先に名前を挙げるのはmomokenにもついに追いついた若手最強マッキー。

誰もがこの対決を心待ちにしているんだ。そのために現地観戦に来ているまである。今日一のカードを見るべくして、人は足を運ぶのだ。

若手最強対現代最強は、あまりにも近いブロック内で行われてしまうのが悔やまれるな。そう思っていたことだろう。僕だってそう思っていた。僕だって優勝予想はdeltaに入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

あのな。

違うんだ。

俺がやらねば誰がやる。

 

 

かつて西楚の覇王と呼ばれた項羽こと項籍は、その戦いに明け暮れた人生の中で四面楚歌という有名な故事を残しています。

その意味は簡単に言うと、敵や反対する者に囲まれて孤立することを指します。

 

ja.wikipedia.org

 

そう、TGS大会でも俺はそうだった。

優勝候補に囲まれたトーナメントを見て、項羽よろしく死期を悟った。

 

そんな時こそ、俺が一番輝くシーンなんだ!

逆境が俺を強くする!全てのポテンシャルを最大限に引き出す!

何故なら覇王項羽は、史実でそんな危地においてでも、囲いを突破しているからだ!

 

 

 

 

そして故事通り自刎(準決3セット目1試合目)し、MGRに恩賞が渡るわけです。

なあ、僕の天下、いつになったら訪れる?

 


待望の冠はその腕力で

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実況解説のTomがファンタスティックと絶賛した、胆力と精神力を兼ね備えた掘り返しによる逆転の一勝。
この一戦がぴぽにあに勢いをつけたのか、今回は彼がそのまま栄冠を手にしました。

 

誰もが、待ち望んでいたことでしょう。プロになったとき、最も多くの声援を得たこの男が優勝する姿を。満面の笑みを。

 

………

 

 

そういえばぴぽにあ、覚えてるか?お前がプロになった直後、「せっかくプロになったし何やりたい?」みたいな話を、しばかず達と焼肉してる時にたわいもなく振ったじゃん。

 

「自分は他の有名ぷよらーみたいなすごい存在になんかなれないから、身近な人が楽しめる範囲での大会をやりたい。」

 


お前のやろうとしてることははっきりしていていいと思ったよ。でもその前置きがすごく気になったんだ。
だからその時、俺ははっきり言ったよな。

 

「それは違う。すごい存在なんてやつはみんな一から積み重ねてきて、いつの間にかその位置に辿りついてきただけだ。」

 

 

 

別に器用さがあるわけじゃなく、知略ある立ち回りをするわけでもない。
そいつは純粋で、朴訥で、ひたすらぷよぷよが好きだった。
ただただ真っ直ぐだったお前の姿は眩しくて、すごく魅力的に映ったよ。
みんなお前のことが好きだから、いくらでも肩入れしてきたんだよ。

 

 

俺はそれがもっと知られてほしいと思ったから記事を書いてきたし、同じように願っていたのは絶対に俺だけじゃなかったはず。
そしてそもそもな、俺らの行動なんて所詮ささやかなものだった。お前は誰でもない自分の力で大会を開いて、いつの間にか誰よりも熱狂的に応援される存在になっていた。

 

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いつでも全力で闘って、全力で泣けて、全力で喜べる男に、真剣にやってて惚れこまないやつなんていないだろ。ぷよぷよで最も「スポーツ」をやっているのは、間違いなくお前なんだよ。
ひたすらに積み上げてきた実力と筋力、掛け合わせた『腕力』こそが、まだ見ぬ天上への扉をこじ開けたんだ。

 

 

他の人間が及びもつかないものなんて、もうたくさん持ってるじゃないか。

なあ、お前は十分すごい存在になっただろ?


おめでとう、ぴぽにあ。

 

 

相互理解の一年間


まだ今年度が終わったわけじゃないんですけど、今回の大会は今までの集大成とも言えるような出来栄えだったように思います。
なんというか、ユーザーが求めるものとメーカーが求めるもののミックスがようやく進んできたなと言いますか。

 

 

実際どこらへんが?って聞かれると、すごいことにね、お偉いさん方の言葉に現場の色が見え隠れするようになってきたんですよ。
例えば実行委員長の宮崎さんの締めの言葉で「ストーリーを積み重ねてきて、そのストーリーはヒストリーになってきている」っていうのを聞いて、
僕は(おお、宮崎のおっちゃん、ええこというやん!物語や歴史や選手の背景があるからeスポーツは面白いんだよ~w)って壇上でほくそ笑んでました。


その他にも皆さんおなじみ細山田Pは壇上で、「おいうリーグでの活躍選手が結果を出してくれているのは喜ばしい」と言ってくれたり、
大会後の僕が受けてるインタビュー内でも、「選手達の背景があってこそ面白いと思うので是非そこに注目していただきたい」って推してくれました。

 

これって僕がやっている「選手の素晴らしさをもっと知ってもらいたい」という外側への強いアピールが伝わってきているとも取れますし、少し前なら想像もできなかったことなんですよ。
まあ当然、僕みたいなちんちくりんクソゲーマーの言を聞いて活かそうとしてくれているのはSEGAの方々の柔軟性の賜物だと思いますし、
そういういい意味での緩さというか、関与メンバーの受容力の高さはやはり今まで業界を担ってきた一大企業の強みなんだなあと感じましたね。
僕は僕で今後とも的外れなことも言ったり失礼を働いたりすることもあるかもしれませんが、まずは本当に一年間通してありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

 

で、そうやってメーカーの方々と深く関わる中で、僕が求めていたビジョンらしきものもようやく見えてきたような気がします。
やっぱりSEGAが目指しているものは厳粛なカッコよさよりは親しみやすさ、一般への普及推進であり、今まで僕の一部の提言はそのコンセプトに沿っていなかったなという反省も得られました。
世代差、立場の違い、色々踏まえた上で一つの目標を固めて、それに向かって進んでいける体制が整ってきたなという実感が得られていて満足しています。


そのためにも目先の一大目標は国体の競技としての活性化です。ライト層にも広く参加していただいて、よりぷよぷよが浸透していってくれればいいなと思います。

 

 

相互理解の深まりについてはもう一つあります。何かっていうと、ぷよらー同士の間柄の話ですね。
何年もコミュニティ見てきた感じだと、放っておくと各世代ってそれぞれ固まってて本来そこまで交流しないんですよ。特に年が離れてくると顕著になりがち。
2ヵ月に1回公式大会があるという環境は、急速に世代間の雪融けを進めてくれたんじゃないかなと最近強く思う出来事が多いです。

 

マッキーくんも普段接してると全然寡黙感なくなったし。metaくんも…metaくんは初対面からおしゃべりだったわ。受験頑張ってね。待ってるよ。
fronも二次会に来るようになったし。ともくんも壇上で大分流暢に話すようになった。しばかずは意外と礼儀正しいのを知ったし。
あとこれは僕サイドの話ですけど、自分からくまちょむさんへの接し方がめっちゃ適当になってきた自覚がありますw

 

 

そしてね、okaさん。終了後「今日のliveさんすごかったですよね~!あれで僕““Tom””信者になりましたよw」って直接僕に100万回くらい言ってきて、
(こいつ、だんだん僕のことを雑に扱っていいと認識し始めたな??)というのがありありと伝わってきました。大体チーム『悪』の吹き込みの影響でしょう。くぅ~~~許せねぇ~~~

 

個人的にokaさんの人に対する接し方の距離感を間違えない度合いは尊敬ものだなと思ってて、その彼がここまで言うようになったのは親密さの表れだと思ってるんですよね。
いやなんかこういうの真面目に分析すんのくそ恥ずいんですけど、どうしてもインターネット上からだと距離感を間違えて変な昇竜とか打っちゃうオタクって珍しくないので一応明示してます。
そのうちワルい方のBlack okaさんも皆さんにお届けできるようになれば、ぷよぷよ界隈もより一層面白くなることうけ合いでしょう。

 

 

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写真:ブログのネタにされることを察して観念しているoka

 

okaさん、大会後でテンションが高かったのかCoCo壱で延々とfronにクソ絡みをしていました。めっちゃ面白かった。
そろそろ各地プロが増えてきて『地方の雄』もなかなかにツラいんで、『クソ絡みの敏腕MC』とかに紹介文言を変えた方がいいんじゃないっすかね!?
…というような感じで、気さくに煽り返せるくらいに交友が深まることは本当に嬉しいことです。来期はまたみんなで一段階大きなことにチャレンジできそうですね。

 

 

 

まずはファイナルズ。皆さんこれからも頑張っていきましょう。

 

それではまた。