りべです。
にわかにぷよらーの間でも反応が多かったこの記事。定期的に高尾のぽれニキが懇切丁寧にeスポーツを仕事にすることに関して言語化してくれてるので、他のnoteも要チェックです。
体感、普通に書いた記事よりもネガティブって題字につけるだけで周囲の反応が増えてるように思えるので、人間というのは深層心理的にネガティブな要素を追ってしまう生き物なんですねえ。もう全部の記事にネガティブ編ってつけるか。
僕は僕とて9月から選手兼雇用契約としてRED ONEでeスポーツ周りのお仕事をする身になっているわけなのですが、今まで不透明だった道が開けたように思っている人が徐々に増えているせいなのか「eスポーツに関わる仕事がしたい!」という相談を界隈内からも多少受けるようになってきました。
大体僕のアドバイスは「強い一芸があるといいよ」とか「最低限自分がやりたいことを確立しといたほうがいいよ」とかなんですけど、もうちょっと具体性を持たせて追っていくと皆さんの参考になるのかなと思いまして。
今回のぽれさんの記事に沿って(実際どうなの?)みたいなことを書いていきます。
まだ3ヵ月ですし僕自身本当に大したことはしてないので、話半分に読んでいってもらえればと。
目次(3978字)
- その1. 大会は土日に開催。あとはわかるな?
- その2. 大会を運営する会社の関係者は選手として参加できない(しにくい)
- その3. 好きなゲームばかりやれるとは限らない
- その4. いつまで続くのかは謎
- その他. ゲームにわか、実は超優秀説
- まとめ. いうてゲーマーばかりの職場、楽しい
その1. 大会は土日に開催。あとはわかるな?
これは結構想像つく人のほうが多いんじゃないでしょうか。
がっつりイベント系の会社に入ったりするならほぼ土日はフル稼働なのかなってイメージです。エンタメ業界として捉えれば当然っちゃ当然ですよね。
自身が選手としてバリューが出せて、何かしらのスタッフとして入るよりも総合的に見て良い影響を与えられるのであれば自己都合を優先することもできるでしょう。そこらへんは自身が入社する際に取り決めないといけない部分でしょうし、この業界、比較的融通は効かせてくれるところが多そうです。
ただその場合、休日に成果を出せないことに対して危機感を覚えなければなりません。二足の草鞋を履かせてもらっているのはこちら側なので、のんべんだらりと大会に参加して見せ場もなく負けているようでは選手としての能力を疑われて、いつ切られても文句は言えないわけです。
自らが大会に参加することへの考え方はかなり変わるでしょう。
その2. 大会を運営する会社の関係者は選手として参加できない(しにくい)
ぷよぷよの場合は、賞金付き大会がそこまで多くないのでこれは現状そこまでデメリットにはならないでしょう。ただし、僕が弊社主催や協力とかで賞金付き大会やるよってなったら当然参加はできません。なので将来的に涙を飲む可能性は0ではありません。
市場規模の大きなタイトルほどよくよく考えなければならない問題かなと。生計面でいうならばイベントスタッフやらディレクターやらの裏方で仕事をするほうがまだ安定性はありますが、結局のところ自分がのちのち目指したい方向性は定めておかなければいけません。
ここらへんはフツーの仕事と一緒です。平常業務も自分がやってて楽しいほうをメインにしたほうが幸せではあるよね?ってところに尽きるでしょう。とはいえ楽しいだけじゃなく、それに従事することで価値を生み出せないとそもそも端から雇ってはもらえませんが。
その3. 好きなゲームばかりやれるとは限らない
問題はこいつです。よくありがちなeスポーツワナビたちの傾向としては、自分の好きなゲームを好きな時にしかやりたくないことに気づいていない人が多いです。
コミュニティ内でバリバリ動ける超有能人間たちですらぶち当たりがちなのがこの壁です。ゲームタイトルが変わった時点で急にやる気の矛先を見失うことは珍しくありません。しかしこれに関しては社内における配属みたいなものなので、大抵は甘んじて受け入れるしかありません。
自分の適性を測るためには、一度全く関わりのなかったゲームタイトルの大会を視聴してみたり、オフイベに行ってみたりするのがよいでしょう。そこで果たして楽しいと感じられるかどうかがカギになってきます。
僕の場合は偶然(プレイヤーを知るのってめっちゃ面白くね?)みたいな考えを元から持っていた人間なので、各界の著名人と関わることに面白さを見出す適性があったみたいです。
スマブラはそれで選手と知り合いになりまくった影響で、EVO2019のFINALでザクレイくんやRaitoさん、プロトバナムさんの活躍に超白熱しながら観戦してました。BBTAGもゲーム自体は全く知らないけど、ラムネ食ってるキャメイさんやキャサリンコミュニティ牽引者のmekasueさんを「うおおおおおおおお!!!!!!!!」って応援してました。やっぱり思い入れって大事。
でもやはり、ゲームのシステムから入ると合う合わないが出てきます。それでもオートチェスとかはめっちゃ面白いと思いますし、来年はGBVSも触ってみたいなーと思ってたり。とりあえずやってみる精神がないことには何も始まらなさそうですね。
その4. いつまで続くのかは謎
大企業勤めによって安心感を得たい人にとっての最大の壁がここだと思っていて。要は「いつなくなるかわからない仕事にフルコミットするのはムリ…」ってやつですよね。
わかりますよ。身内の中でも何度も聞いたセリフ。
今のeスポーツ業界って、一般的な社会において武器になる技術や経歴を持たざる者、積み重ねてきていない者のほうがわりと先に参入してくるんですよね。他に道筋がなかったり、転身するリスクが少なかったりするからだと思うんですよ。
何かっていうと、人間はすでに持っているものを捨てることに抵抗を感じてしまうから、今のeスポーツ業界への飛び込みに対し二の足を踏んでしまうのです。
その反面欲張りで、拾えるものは拾いたいと思ってしまう。だからプロライセンスという緩めのプロ認定システムを設けたのはぷよぷよにとっては大正解でして。
拾える実力のある人がみんな拾った結果、ある程度の思い入れがあると今度は逆に捨てづらくなってしまうんですね。両天秤で悩んでいる人がどんどん増えていく。たいていの人は決断を先延ばしにしたいんです。
新興業界で仕事をするのってうまくキャリアにしづらいよね~っていう不安はあると思うんですが、そういう人を見るたび(そもそもあなたの今勤めている企業もずっと安泰なんか?)っていう疑問投げてえ~ってずっと思ってます。
いつもいつでもうまくいくなんて 保証はどこにもないけど
(そりゃそうじゃ)
僕の場合は、前職にしがみついて雀の涙程度の安心感を得ながら何も成長せず詰むくらいなら、まだ転換が効くうちにスキルアップ兼やりたいことをやり抜く経験をしたほうが自分の人生にとってプラスになるっしょ?みたいなノリで決心した感じです。
まあ、一年くらい兼業で動いて(これくらい繋がりあるなら転身しても即死はしないだろ…)的な後ろ盾とも言えぬセーフティーネットを持った上で動いたので、いわゆるヒモなしバンジーはあんまりおすすめしませんけれども。
その他. ゲームにわか、実は超優秀説
これは完全に僕の私見なんですけど、ゲームに関わったことあまりなかったけどeスポーツの会社入りましたってパターンの人、優秀率高い気がしてます。
珍しいケースだから印象に残ってるだけかもしれないですけど。
なんでかっていうと、eスポーツに対する固定観念がないから柔軟に物事を考えられるのと、一から学ぶ立ち位置だからこそ変なプライドが邪魔をしないというのが大きいんですよね。
なまじ実績があるタイプって自分のやり方を過信してしまうきらいがあったり、自信のあるタイトルに異様なこだわりをもってしまったりしがちです。僕のぷよぷよに対する考えとかはまさにそうで。
そういう部分をうまくコントロールできる組織作りになっていればいいとは思うんですが、なかなか人数が少ないうちは立ち行かない部分もあるんじゃないかなと思いまして。
やっぱりゲーマーって少なからず負けず嫌いじゃないですか。それぞれのこだわりをぶつけ合う中に、別の役回りだったりテイストの人材がいるのが理想的なのかなーとちょっと思ってたりします。
ただゲームをしない人はこういう記事を見ないので、会社と人材がマッチングすること自体がなかなか難しいんですけどね。
思い通りにいかないことがあったらすぐに文句が口を衝いて出てしまうタイプは、自分の気質に要注意です。
まとめ. いうてゲーマーばかりの職場、楽しい
「一人一人が社に貢献(笑)」という今まで鼻で笑っていた社是みたいなものを大真面目に考えなければならない環境にはなりますが、その分だけ自由なところも多くやりやすいです。
オフィスでポケモンやらワーフリやらやってても必要なことさえこなしてれば別に怒られませんし、むしろ周りがガンガン乗ってくるくらいです。あなたが今、仮に自分を出せない環境に抑圧されて鬱屈してるくらいなら、さっさとやりたいことに舵切ったほうがまだ幸せなんじゃない?とは思います。
ただやはり僕の場合、守りの生活には入れなくなりますね。実力なり話題性なりで常に何か生み出すことを考えてないと、自分の旬の終わりがそのまま選手としての終わりになるので。
そうなったら裏方に専心という考え方もありますが、まあやはり自分のメインはプロゲーマー、選手であるというところはまだ数年崩したくないよなあと思いつつ頑張る所存です。
今回は選手目線でのeスポーツ会社との関わり方について述べましたが、もっと色んな人の体験談が読みたいものですね。前例が増えていくことによって、新しくこの業界に入ろうとしてる人もより働くことに対してのイメージがしやすくなるでしょう。
それではまた。