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22年ぶりの全国大会…ぷよぷよが歩んできたストーリーとは ~ 茨城国体のPVを製作しました

りべです。

 

こちらできちんと書くのは久々な気がします。

皆様いかがお過ごしでしょうか。暑さに負けてないですか?

僕は暑いので仕事を辞めました。これ見よがしに家で涼んでいるかと思いきや、最近めっちゃ外に出払っています。ラスベガスとか新宿とか。一体何のために辞めたのか。

 

 

さて、茨城国体の文化プログラムである、eスポーツ選手権におけるぷよぷよeスポーツ部門の代表が全て決定しました。

総勢56人。おめでとうございます。

 

決定したので、PVを製作しました。仕事が早いですね。

 

 

www.youtube.com

 

3分にも満たないうちに56人分紹介しないといけないので、1人あたりの時間が短いのは許してください。

 

 

で、この動画の裏テーマが『過去と未来』で、コミュニティの物語を追って一つの軸に繋げています。

パブリッシャーがきちんと噛む形で全国大会を行うのは、1997年に行われたコンパイル主催の第3回全日本ぷよマスターズ大会ぶりで、昔からぷよぷよを追っている人々にとって22年越しの悲願でもあるわけです。

 

…というようなドラマチックシチュエーションであることに、動画を作ろうとするまで一切気付いてませんでした。エモさを追うべきeスポーツ詩人がこんなことではいけませんね。最近詩人としての役割を果たしていなかったのでどうにも頭が鈍っていまして。

 

 

何故僕ですら気付かないかというと、ぷよぷよには語る人と聞く人がいないからです。

 

昔、「ぷよぷよにはストーリーが足りない」と業界人に指摘されたことがあります。ストーリーがないとファンがつかねえぞと。

でも実は真逆なんです。ぷよぷよはストーリーに溢れています。30年近いレコードの累積があり、真剣に取り組んできた人が少なからずいます。ぷよぷよに足りないものは、語る人であるストーリーテラーと、聞く人を収容するステージです。

 

然るべきステージで、信憑性のあるストーリーテラーが、魅力あるストーリーを話し、描き、伝える。それがぷよぷよにとって今必要なことだと思いますし、こういう動画を作る理由の一つなのかな、と考えています。

「国体なんてよくわからねえし~」というスタンスで適当に取り組んでいるプレイヤー達に魅力は生まれませんし、いくら物語性の素養があったところで自らドブに捨てているのとなんら変わりないのです。今そこに存在するものを、自分がどう楽しみ、周りにどう楽しんでもらうか。それに尽きます。

現に、動画作ってるうちにこのメンバーと10月会えるのかと思うと、同窓会みたいで楽しみになってきました。実感って実際に手を動かしてみないとなかなか湧かないもんですね。

 

 

以下、PVについてちょっとした補足をしていきます。

 

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詩人フレーズその1。メロディーにのせて歌える歌詞っぽくしてあります。

あんまり同じ展開だと見ててのっぺりするので、見栄えに変化をつけたいと思って載せた部分。

 

選手紹介時に色で示している通り、それぞれには関連性があって

 

ぴぽにあの「夢」

→おいうリーグを主催し、プレイヤー達に目指すべき目標、夢を与えた

りべの「出会い」

→上野対戦会を主催し、プレイヤー達が知り合い、出会う場を作った

ざいろの「過去と未来」

→レジェンドと新世代の間を駆け続け、世代間を超えたスタープレイヤーとなった

マッキーの「奇跡」

→全国一位を揺るがす新世代として、今までの伝説を打ち破る奇跡となった

 

みたいなこじつけ。

 

で、上記の詩文を意訳すると、

「昔もこの先も、ぷよぷよの対戦を志す者には夢があった。自分より強い者に出会いたい。そして自分が最強になりたい。そういった世代を超えた想いが22年間連綿と続いていき、ここまでコミュニティが途絶えずに、全国大会まで持ちこたえたのはまさしく奇跡。」

 

これに「捧ぐ願い」がつくんですが、「願い」が一体何なのか?というところですね。

なんだこれ…国語の授業かよ…

 

次!

 

 

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詩人フレーズその2。マジでPV中で埋めるアイディアがなかったのでとりあえず歌って埋めた。

 

間に合わせのわりには結構刺さる文面だと思うんですね。特にコミュニティを運営してきた側の人間にとって。

 

 

ここでいう「場所」というのは、対戦会、大会、オンラインのイベント、何でもいいです。

コミュニティで何かを主催しやってきた人間は、様々な人と巡りあいます。

でも、人とは現金なもので、すぐにその場所に飽きます。「場所」が変わらない以上、大抵の場合そこに残る人間は、わずかばかりです。

 

各地ゲーセンでの対戦会。僕はその興隆も衰退も、いくつも目の当たりにしてきました。ぷよぷよコミュニティのすごいところは、本来の「変わりゆく人」の中に、変わらない人が何人かいて、ずっと屋台骨を支え続けてきたことです。それはもう感謝しかないでしょう。

 

でも僕がめちゃくちゃ難しいな、と思っているのは

変わらずに変えることです。

以前も言及した気がしますが、ぷよぷよのコミュニティに属している人は変わらないことを好む傾向が強いです。何せ、変わることを好む人はさっさと別のコミュニティに移住しているはずだから。ずっと変わらぬ愛情を持つ人によってぷよぷよのコミュニティが維持されてきたから。

それ自体は別にいいのです。でも、ここにeスポーツという文脈が混じってくると、話は途端に面倒になってきます。

 

「ぷよぷよというゲームが好きで、我々が楽しめればそれでいい」派と、

「eスポーツの流れに乗って、何か人気のあるゲームで大成したい」派は、

考え方がもとより水と油なのです。

 

現コミュニティを長年維持してきた人間は、なかなか趣味の範疇を逸脱したがりません。今自分たちが十分楽しめているからです。eスポーツに乗り出す理由がそこまで強くない。

eスポーツに乗り気な人間は、ぷよぷよを着地点に据えることがそこまで多くないように思います。プレイヤーとしてももっと人口が多かったり、賞金額が多いタイトルを選ぶのが自然な流れです。野望を大きく持ちたがります。

 

 

 

2017年以降、ぷよぷよコミュニティは過渡期である、と動画中では紹介しています。 

さてここで、詩文1の「22年間続いてきた奇跡」に一体何を願えばいいのか。

今いるコミュニティの人間が変わっていくことなのか。

変わらぬコミュニティの人間の絶対数が増えることなのか。

僕には未だによくわかっちゃいません。

 

まあ結局のところ、ひとまずは愛があれば何とかなるっしょの精神で続けていければなと思っています。愛が尽きたらなんか別のゲームに力入れ始めたり、全く別のことを始めたりするんじゃないですかね。

それまでは、ストーリーテラーをやって、ステージを作れるように奔走して、広くストーリーを知ってもらう…ように努めるしかないですね。ぷよぷよのシーン自体にも、僕を含めた選手たちにもファンが増えてくれればいいなと。

 

 

そんな中、変わらずに変えるを体現するかのように、ぷよぷよのオーガナイザーとして思考行結に加入したぢおさんがきっと今後の突破口になってくれるはずです。

 

 

 

なんだかよくわからんけど、僕と同世代の人間達のぷよぷよ愛はどうにも結構強い方みたいです。ありがたいこってす。よろしくたのんます。

 

 

ではまた。

 

AnimEVO2019で連覇した、僕の目標は一体どこへ向かう?

 

僕には、散々引用している記事があります。

 

 

www.livedesu.com

 

 

1年前のこの記事を皮切りに僕の世界や交流は爆発的な広がりを見せ、本の出版やインタビュー、関係各所への親睦の深化など、選手として恵まれすぎた環境を手に入れることができました。本当に、願ってもない幸運です。

 

さらば、ラスベガス。

来年はきっと、もっと大きくなって会いにいくよ。

 

という結文の通り、大きくなって戻ってこれたと言って差し支えないのかなとも思います。

 

 

 

 

そして、当然のごとく2種目2連覇です。サイドトーナメントとはいえ、なかなかあることではなさそうです。

嬉しいは嬉しいのですが、僕の心はどこか中空を漂っていました。

(この感覚は、すでに知っている感覚だ)と。

 

 

もしかすると皆さん、疑問に思っていることかもしれません。

『今回の記事は何故、そこまで詩文テイストではないのか。』

それは、理想論も、エモさも、まるで必要のない現実を目の当たりにしたからです。

本記事は、ぷよぷよを含む国内のeスポーツのシーンが、ただ次のステップへ進むために何が必要なのかを羅列していくものです。

 

目次

  • ・大会で優勝するだけでは何も変わらない
  • ・変化を臨むための3つの指針
    • 1.EVO優勝というタイトル取得による個人へのフォーカス、サクセスロードの例示
    • 2.爆発的人気を擁した新作の発売によるプレイ人口の激増
    • 3.コミュニティ発の国内における注目タイトルの養成と、その影響力の増加
    • ex.別の人気ゲームタイトルの選手への転向
  • ・同情や憐憫を誘うフェーズは終わった

 

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オリジナル曲集の動画をアップロードしました。

りべです。

 

youtu.be

 

アーティストみたいな題名だな。お前、プロゲーマーでは?

 

2010年代の初頭にDTMにハマっていた名残が出てきたので、なんだかどこにも晒しておかないのも作品に恨まれそうな気がして「除霊するか」と思い立って公開しました。

当時は東方二次創作が大ブームとなっているニコニコ全盛期でしたので、私もオタクの例に漏れず東方楽曲のMIDIデータ見ながら色々技法を肌で学んで、ちまちま長い時間かけていじっていた健気な作品たちです。

 

動画はAviUtlで適当に作りました。これくらいなら大して労力必要ないのでいいですね。

 

以下、それぞれの曲について所感を挙げていきます。

 

 

目次

 

 

 

1. 妖怪瘴気に中てられて

和って感じですね。大体尺八と三味線のせいです。

終始一貫して明るくも寂しいフレーズがめっちゃ好きです。転調したサビのシンセの盛り上がりきらない情緒あふれる感じ、最高。

 

曲のタイトルは基本完成してからつけるんですけど、なんでこの名前かはちゃんと覚えてないです。難しい日本語が使いたかったんじゃないでしょうか。

妖怪っぽいおどろおどろしさと普段の自分ではなくなってしまった感覚、それによる嬉しさと悲しさのコラボレートみたいなところをどうにか汲み取ってください。世の中忖度です。

あと入りの三味線が彼岸帰港っぽい。

 

 

2. 彩失幻想

今回の動画はMSP(Music Studio Producer)で作曲した曲群なんですけど、この曲はMSPで初めて作った曲です。

とはいえ作曲や耳コピ自体はもう少し前からオルガーニャやピストンコラージュでやってた時期があります。その頃は東方アレンジを作ってたんですが、見様見真似スキルマシマシの曲だなあって今聞くと思います。

 

同じフレーズでごり押すのとか、1度下げて3度上げる(動画でエフェクトかかる部分)のとか、メインフレーズ消して戻すのとか、あ~これこれ。って感じ。

でも荒ぶるピアノとサックスの間奏だけはなんか雰囲気違うなあってなるんすよね。その間奏がこの曲で一番好きなんですけど。

DTMやってた頃がちょうど寂寥感とか厭世観みたいなものにぼや~んととらわれてた時期で、曲調にもモロ出てる気がしますよね。もっと前向きに生きてくれ、俺。

 

 

3. 暢々陽々

始まりな感じの道中曲ですね。

入りは結構おとなしめの温かい雰囲気なんですけど、サビから展開わかんなくて突然宴会になります。本当に作りたかったのはこんな曲か?まあ形になったからいいか。みたいな。

 

前2曲に比べて明確なテーマを持って作った曲で、その分辻褄のつけ方がわかんなくなった部分が露呈してるのでしょう。だって折角曲書くなら盛り上げたいじゃん。おとなしく終わる方法、わかんなくない?

曲名は「のんのんようよう」って読むんですけど、どちゃくそ変換しづらいのでこの題名を付けた人間は早めにくたばってほしいです。

 

 

4. 純真無垢エンゲージ

マジこの曲すき。今まで収録するのが面倒で出せていなかったのが悔やまれる。

今度は物悲しさが根底のテーマとしてある曲ですね。僕の曲って実際に大して楽器に触ったことがない人間の曲なんで高音キンキンする曲が多くて頭痛くなるんですよ。

だからメインフレーズを低いキーに抑えたらどうなるかなってのを一回やってみたかったと。そんな感じのコンセプト。

 

どことなく童謡を想起させるようなピアノのフレーズに、重ねてギターが追っかける感じ、約束っていうリリックを感じませんか?というかリリックって何ですか?

悲しくとも芯の強さがどことなくあって、決して大人しくはないドラムのつけ方が普段の曲とは一味違うので好みです。

あと雨の音がしょぼすぎて天ぷら揚げてるみたいな音に聞こえるのもすき。

 

 

5. イマジナリイゼロ

変拍子の曲が作りたくて作った曲ですね。5拍子→3拍子→4拍子。

細かいことは考えずにぶちあがれる曲です。東方よりは下村陽子とか伊藤賢治っぽい感じのテイストかもしんないです。サビの入りからサビで気持ちよくなってくれ感が満載。

 

全般的にゲーム音楽が大好きだったので、特にスクエニの名作にはかなり影響されてる方だと思います。昔アップロードしてた曲でもあって、「聖剣伝説っぽい」って言われたこともありますが聖剣伝説はやったことがありません。

タイトルからして機械っぽい雰囲気を出したかったはずなのに全然システマチックな曲ではないところが笑い所です。

 

 

6. 月下舞踏会

本当に初めて作った曲のセルフアレンジです。

ダーティーで西洋な雰囲気。今までの曲の中でも個々で相当イメージしやすい曲かなと思ってます。

 

ハープソロがすき。原曲は扁平な展開だったのでどうしても緩急をつけたくて混ぜたんですが、コロッと引きが作れてしまうあたり作曲者チョロいなって感じです。

あんまり同じ技法ばっかり使ってるとマンネリ化しちゃうんで嫌なんですけどね。チャレンジ精神を忘れないようにしたい。

 

 

7. 古今風来娘

テーマは1面ボスです。キャッチーで短くメロディアスに。

アコーディオンと軽快なピアノ、自由なベースで楽しさ全開ですね。初見で記憶に残りやすい曲に仕上がってそう。

 

サビの「でっ!でっ!でっ!でっ!でっでっ!」がすき。作っててここばっかり再生してた。あとサビで1度下げてハモりを1オクターブ上げるパターンのアレをやってます。

なんかもう言葉で説明するのをあきらめてる感じがダメです。全く座学派じゃないからボロが出ちゃうんですよ。

元気とか風とかそんな雰囲気を感じたんでこのタイトルになりました。アスカ見参ではないです。

 

 

8. 春秋罪過を経た帝都

僕の曲で一番有名なやつ!昔からアップロードしてたシリーズですね。

シタールと鐘の音を追加したら、なんか都っぽくなったんでこんな題名に。

 

今までメインフレーズがどこなのかわかりづらい曲が多かったので、聞かせる音を絞った曲を作ろうとしてできた作品ですね。総合的にまとまりのある構成に仕上がったはず。

大昔ですけど、BMSの譜面作ってももけんに渡した記憶があります。むしろ譜面作りてえ~ってなって元々長かった曲をちょっと短めにアレンジしたんですよ。それでも音ゲーの曲としてはまだ長いっていう。コンポーザーたちはすごいよ。

 

 

9. 彩失幻想 piano ver.

初めて彩失幻想をMSPでMIDI出力しようとしたとき、トラック初期化情報を頭に突っ込むのを忘れてて音が全部ピアノになったやつです。

別にそれ専用にアレンジしたとかではないです。思ったより良かったからこれも残しとこwっていう浅薄な動機。

 

関係ないんですが、簡単なMVつけるだけでも曲の雰囲気って良くなりますね。人間って視覚的な効果とか含めて作品を判断してるのがよくわかりました。ただポンと曲だけ聞かせてもいきなりそんな感傷的にならんよな、普通。

そういった意味で彩失幻想は展開がわかりやすく題名もまんまなんで映える演出が容易でした。色消すのね!オッケー!みたいな。

 

 

 

 

以上を僕の早いお盆の灯篭流しといたします。我が曲たちよ、成仏してください。