フランスのStunfestのぷよ大会に招待され優勝した話と、それを通して見えてきた『観客』の本質

りべです。

 

近況報告が抜け気味だったので、とりあえずフランスについてを羅列します。

 

・フランスのStunfestは凄かった 

 

はじめてヨーロッパ行きました。観光に1ミリも興味がない僕ですらモンサンミッシェルは神だと思いましたし、ガレットより何よりTAKOS KINGが美味いので行く方は是非抑えておいてください。

相変わらず英語はさっぱりできないので、aruをアドバイザー(というより完全にマネージャー)として同伴していただきました。マジありがとう。渡航費自腹にもかかわらず一緒に行ってくれる人がいるのは、僕かなりバグってるレベルで果報者です。

 

どうやら、フランスはなかなか英語話者でも苦戦する地だったらしくaruも四苦八苦してました。英語、フランス語、日本語が駆け回る意味不明晩餐会はリスニングだけで神経を疲弊させていた模様。大陸の言語文化はすげーよ。島国には理解できん。

もちろん僕は英語だろうがフランス語だろうが何聞かれてもわかんないんで大体ボンジュールかメルシーかeスポーツ!って言ってました。完全に頭が悪い。全くなんとかなってないけど、みんな優しいんでなんとかなる。

 

そもそも僕がなんでStunfestに招待されたかなんですけど、大体この記事に書いてあるdiscord立ち上げの影響でした。何でもやってみるもんやなあ。


この『ゲーミング縁』があったおかげでHikuさんが直接僕に相談してきた感じです。PuyoGBの面子が方々に対して相当活発に働きかけてくれていたようで、それにSEGA Europeサイドもノリノリだったおかげで今回の大会に繋がったと。

というかStunfestにSEGA Europeの方が普通に来てると思ってなかったので驚きでした。日本ではSEGA主催のイベントが行われてない限り、ぷよぷよのコミュニティイベントにおいて関係者の方をまず見かけたことがないので。あ、でもEVO2018と早大マスターズには来てましたね。

 

で、実際大会はどうだったかっていうと、まあこちらを見てください。

 


 

 

f:id:livedesu:20190527092910p:plain

 

これを見て(ベスト4以降、かなりちゃんとした舞台できっちり演出してやってる!すげえ!)と思われたなら何よりなんですが、本当にすごいのはステージ側よりも、

 

 

f:id:livedesu:20190527092835p:plain

 

観客側なんですよ。

 

日本でこの規模の観客がいるぷよぷよ大会は見たことがないです。ざっと見て500人くらいいそう。TGS大会でも多分瞬間で見てた観客数は半分くらいなんじゃないかな。

これこそが複合ゲーム大会の大ステージでやる強みですし、Stunfestという文化を長年育ててきた方々への感謝というほかないです。フランス、地下鉄の構内モニターでStunfestの宣伝がなされてるんですよ。公共交通機関に入り込むレベルのイベント。そりゃ当然こんだけの人が来るわけです。なおかつ、あまりよく知らないタイトルでも見てくれる。

 

そして何より最高だったのが、とにかく彼らは「声」を出してくれること。声援を、空気を作ってくれる。すげえ。今まで参加してきたぷよぷよ大会とは全然違う。一試合取るごとに会場が揺れる。これもうスポーツじゃん。得も言われぬ一体感がそこには存在した。

決勝は日本の僕対フランスのDoremy。これがまた本当に素晴らしくて、本数的には僕のワンサイドゲームにも近くなってしまったんですけど、Doremyが1本取るごとに僕が勝つときとは比べ物にならないくらいの大声援が巻き起こるんですよ。彼は『国』を懸けて戦い、観衆は皆でそれをバックアップしている。

 

鳥肌が立った。

その熱気を向けてくれることが、嬉しくてしょうがなかった。

 

僕が国内大会であるぷよぷよカップの出場を蹴ってまで、優勝してようやく渡航費をペイできるほどでしかない海外大会に率先して行こうと考えたのは、有形のリターンが欲しかったからじゃない。無形の情熱を、欧州で人知れず頑張ってきた彼らに届けたかったからだ。

イベントを開催してくれてありがとう。手探りでも声をかけてくれてありがとう。日本の国内のプレイヤーの実力は海外よりも遥か高みにあるけれど、僕のプレイに触れて、発奮して必ず追いついてきてほしい。これからもコミュニティを回して、更なる競技シーンの増加に協力してほしい。それは決して一人では成し得ないから、日本の僕達もできることはしよう。

 

彼らへの感謝の気持ちを、プロプレイヤーである僕は海を渡り、実際に演武で示す。それだけのことだった。果たして、伝わってくれただろうか。

 

 

 

 

 

 

きっとDoremyには伝わったんじゃないかな~と、まあ勝手に思ってます。

どうであろうと、これからも僕は僕のすべきことをするまで。

 

EVO2018のFINALで恋焦がれた舞台に狂ってしまった僕は、今回少し夢に近づいた。

今後も周囲に狂気を振りまいていこうじゃないですか。

 

 

・本題『観客』について

さて、今回のぷよぷよカップは生放送がない上に、観客が入ることも許されませんでした。eスポーツの根本的な収益モデルの完全放棄です。一体どこを目指しているのでしょうか。

 

こう対比すると恣意的な話題誘導っぽく見えちゃうかもしれませんが、とりあえず僕の言いたいことは、よくある「海外を持ち上げて日本を貶す」みたいな勘違い西洋かぶれ行為ではないです。もともと国によって文化は違うもの。観衆の気質においても、海外のノリの良さを日本で求めてもeスポーツ畑の方面では多分まだまだ受け入れられないです。上手く形を変えて理想形を実現しなきゃいけない。

そういう意味で国体でのぷよぷよ採用は、国内産eスポーツのモデルとしてかなりいい線いっていると思うのです。まだぷよぷよの競技シーンを知らない方に対して、外堀を埋めて見ることや参加することに対する精神的な障壁を低くしていく。「ゲームって今はeスポーツになっているんだ!」っていう潮流を起こしたい。認知度を上げたい。というかもうここ1年でブームは起こってますし、流れへの乗り方は最高です。

長期戦の様相で、そこから地道にプロシーンに観客を誘導しようという肚づもりなのかな~程度に見てますし、いきなり杞憂にも近い危惧をしてるというほどではありません。

 

実際のところこれが理解できるのは、eスポーツおじさんとしての僕が存在するからです。多角的に見るとそうだよね~って納得するだけ。いきなり日本のぷよぷよオンリーイベントで現地の観客500人集まるかって言われたら集まらないですし、無理難題をパブリッシャーに押し付けたいわけでもないです。

でも選手としての僕は、EVOで超観衆のステージを見てしまったし、Stunfestで大観衆のステージでのプレイを経験しちまったので、夢を見るのは大舞台になってしまうんですよね。こっち側の視点から見ちゃうと、生放送すらないのはやべーなおいってなります。

 

さて、ちょっと話は逸れますが、最近思うのはプロ制度も1年回ったことですし、選手として個人的に目指す指針が固まってきた人がそろそろ現れてきてるんじゃないかなという点。JeSUのライセンスプロは全員がどこかに所属しているわけではないので、基本自分で自分のブランディングをしなければなりません。でも実際何をすればいいのかわからない方がほとんでしょうし、そこまで考えを巡らせている選手が多いようには思えません。

何かというと、そろそろ才覚のある選手のチームによるブランディングが必須になってくるんじゃないの?ということ。

 

で、そこで出てくるのが最近ライセンスプロ化したぷよらーの中でチーム加入一番乗りを果たした瀬田凪。彼がどうブランディングされていくのかはなかなか興味深いところです。情報収集してると、彼が入ったチーム“1'sbattledogs”がなんか記事書いてる~と思って見てみたんですね。

 


ほんほん。海外と日本の比較してる~。タイムリーじゃん。

 

日本のピラミッドぶっ壊れてるのはなるほどな~と思いました。わかるかも。観客がやっぱまだまだ少ないし、大会運営組織はマジで足りない。

でも、プレイヤーを増やせば観客も増えるという結び付けはちょっと短絡的な感じ。プレイヤーでもプレイしかしない層は存在するし、ゲームをしないけどゲームを見る層も存在する。例えばぷよぷよのプレイヤーをどの深度に定義するかは知らないですけど、ゲームの認知度やプレイ経験があるかで言うと国内タイトル全体で見ても相当上位に食い込みそうです。でも日本で爆発的に観客を集められる状態かと言われたらそうではない。

というか、スポーツに例えると秒でわかると思うんですよ。フィギュアスケートとかスキージャンプとか、大概の人はやったことないけど普通に見るじゃないすか。なので、観客を増やすための施策は確かにタイトルに対する理解度や認知度に依存する部分も当然ありますが、本質は別の部分にあると思っているのです。

 

その鍵となるのが僕は「人」だと思っているので、自身は色んな方と関わりを持ってみたり、プレイヤー達の魅力を記事で発信したり、選手にブランディングが必要になるよと念を押してみたりしているのです。

 

やべ、何が言いたいんだっけ。まあ選手サイドはいろんなゲーミングチームのことよく調べとくといいですよ。それぞれのチームの発信してる内容とか見て、自分と合うかどうかとかね!おもしろいよ!

 

 

それじゃあまた。