りべです。
圧倒的な火力と対応力で、大会の優勝を総なめする男がいた。
最強のプレイヤーを決めるリーグ戦でも、長らくS級の座に就き続けた男がいた。
ぷよぷよカップ&チャンピオンシップ実行委員長の宮崎さんですら「有名だよね、彼」と目を付ける男がいた。
男に足りないものは、公の地位。それだけだった。
だから男はいつしか、伝説となっていた。
その伝説の名は…
目次 (4751文字)
新しいプロ、3名生まれる
delta
鮮烈にきらめいたヒーロー。もう死ぬほど当ブログで紹介してるんだけど、まだいる………?
現代最強の一角と言って差し支えない超火力プレイヤー。ぴぽにあと同世代。
おいうリーグ3期連続S級。その他大会においての優勝経験多数。
初のぷよぷよカップ&チャンピオンシップのダブル優勝を飾ったプレイヤーであり、デビュー戦から無敗なので、現在勝率100%のプロです。やばっ。
Tomに「momokenの再来」と思わせるほどの実力を携えて、プロシーンを武力制圧しに来た。
でるた強すぎてももけん思い出した
— Tom (@tom_nadja) 2018年12月16日
その圧倒的な強さにこそ、Tomは自らが信じたヒーロー、momokenの面影を見たのか。
ようやくプロになったな。彼に思うところについては後述します。
ペペペマン
ぷよテトスワップS級。フジテレビONE「いいすぽ!」出演経験あり。(僕が推薦した)
山形大ぷよぷよサークル所属。fron、ソウマ、TSなどの強者ひしめく97世代の一人。
ぷよぷよ単独の腕前については注目されることが少なかったが、1連鎖や2連鎖を駆使した攻めのぷよが非常に上手い。
selvaのような攻防一体の中盤と言うにはやや鋭く、くまちょむのような大味な攻勢よりもやや繊細。『丁寧な詰め筋』が光る試合巧者。
プロ入りを決めたざいろとの試合も決め手は2連続の1連鎖でした。新タイプのプレイヤーで楽しみです。
わっふる
新潟の英傑。おいうリーグ次期A1級。とにかく後手有利を取りにいくスタイルは、強者の風格漂うことから『先生』という呼称がついた……わけではないです。
初めて彼を知ったのはぷよぷよクエストの稼働初期で、当時僕がmomokenから引き継いで運営していたギルド「ももにち!」の稼ぎ頭をやってくれていました。
毎週ポイント集計していた僕は、必ず上位にいる彼のことを敬意を表して「わっふる先生」と呼びました。
そのときのライバルギルドがトムソンの運営するギルドでした。その呼称はトムソンに伝わり、トムソン配信を通じていつの間にか各所へと広まっていきました。
それから何年かが過ぎ、ぷよクエでの頃の記憶も薄れつつあったころ、新潟県の長岡テクノポリスでACぷよ通大会が開かれました。
僕が長岡に向かうため新幹線で寝ていたら、いつの間にかガーラ湯沢に着いていたことはあまりにも有名です。(トムソンさんその節は本当にすみませんでした)
そのときの決勝カードが、りべvsわっふるでした。当時初対面。僕はトムソンと「わっふるってあのわっふる先生!?」ってビビってました。
土地柄、彼はACにそこまで慣れていないにもかかわらず、僕を見事下し優勝しました。彼自身「信じられない」という言葉を漏らしていたのをよく覚えています。
その実績をきっかけとして、わっふる先生はぷよ通の強豪としても広く知られるようになっていきました。
エピソード補完があるから一人だけ長くなっちまったよ。彼とは超久々に会ったんですが、見た目がより先生感増してないですか?数学か物理っぽい。
二つ名、完全に先生でいいでしょ。「おしえて!わっふる先生!」で看板企画いけるよ。うれしいなあ。
実況解説がそこそこ洗練されてきた
今回は公式で初となるTomの実況解説がありました。
Tom実況、他の人が喋ってる最中に強引な場面転換をするシーンが目立つけど、トークがグダるのを防ぐ目的が強いので、内容はやっぱりピカイチで面白いんですよね。
セガの方が「あの人の喋りこんなに面白いの!?」ってビックリしてました。いやいやぷよぷよ実況の筆頭格ですよ!!コミュニティの風評リサーチしましょう!!
ほかは飛車ちゅうの解説が好評でしたね。無理筋のウケを狙いにいかなければやはり抜群の安定感です。賢い人は要点を抑えるのが上手。
でもトークで言うと、okaさんの魅力がヤバいんですよ。選手の情報の引き出し、豊富な知識量、不快にさせないいじり方、快活で落ち着いた声、既にほぼ完成されている。
fronも今回初実況解説だったけど、コミュニティ内でキャラ立ちしてるからMC側から既にいじりやすい。いいポジションにつけていると思います。
だからね、最近DQRのストリーマーズコロシアムみたいな、プレイヤー寄りの人間だけで番組やるみたいなのあったりするじゃないですか。
ああいった下地、ぷよぷよは既にできてると思うんですよ。プレイヤーだけで番組企画みたいなの、立ち上げても全然良さそうですよね。
MC:oka、実況:Tom、解説:飛車ちゅう、とかでももうおそらく企画成り立ちますし、見ますよ。この3人同世代だしちょうどいいじゃん。名案~!
ゲスト:live、とかでTomの暴言実況サンドバッグを用意するともう神回確定ですよね。
やったあ。何がやったあやねん。しばくぞ。
舞台や執念が人を強くする
なんか知らないけど、僕のブログで「次のプロはお前だ!」みたいに書くと大体その通りになってます。
これって僕が天才的な予想屋で競馬をやれば大儲けできるとかそういう話ではなくて、僕が書いたこと自体が本人の心に強く影響してるんじゃないかなと思ってて。
やっぱり思い入れとか、自己暗示とか、心理的な構え方って想像以上に深く影響してるんですよ。
今まで振るわなかった僕が、2016年から大会で突然優勝するようになりだしたのも、自分のことを添え物から中核にしなきゃいけないという外部環境の変化からです。
例えば、TSくんは真面目だし続ける意志力もあるし結果も積み重ねてきてるけど、話してると心のどこかで自分のことを添え物だと思ってそうな節があるんですよね。
ものすごく惜しいところで、勝ちきれない気持ちがすごくわかるんですよ。かつて近い世代に偉大なプレイヤーが多すぎて一歩引いてしまってた僕としては。頑張ってほしい。
自分の心の中に、自分が主役になり切れる舞台を用意しないといけない。一片の迷いもなく。
僕がプレイヤーを注目株として書くことは、その舞台の斡旋みたいなもんです。主役になる準備が既に整ってる人の背中を少し押しているだけ。
特に心構えの出来た人間の挫折は、執念を生みます。次の飛躍への発射台となる可能性が極めて高い。
それを見て彼らにエンジンを積み込んでるだけなんですよ、僕のブログは。
僕がdeltaを推していた理由
僕はもうそれこそ、ここ10年来色々なプレイヤーを見ているわけなんですよね。
こいつ真面目すぎてぶっ倒れるんじゃねえかってくらいぷよぷよしてる人もいれば、本当にいい加減な取り組み方をしてる人もいる。
正直それはゲームである以上別にどんなスタンスでもいいんですが、極端すぎると大体対人面で苦労はしますね。
で、少なくとも経験上一つだけ言えることがあって。
ぷよぷよというタイトル自体を心の中で小馬鹿にしている人は、いくら実力が伴っていても絶対に結果を出せていない。
「所詮ぷよぷよなんて…」と思ってる人は、「勝ちたい」という心の底のどこかに、「まあ別に負けてもいいや」という気持ちが入り込んでしまうから。
そういう多くのプレイヤーたちの心の持ちようを、外からぼーっと眺めているのが僕の楽しみの一つでもあります。
「ああ、こいつはいつまでたっても変わらないな」とか、「え、めっちゃこの人取り組み方変わったじゃん」とか。
deltaは一時期自分の道を見失いかけていたけれど、去年や今年で見違えるように心理的な成長を遂げたと僕は思ってます。
だから、(ようやく主役になる準備が整ってくれたか)と、10月の大会で本当に悔しそうにする彼の目を見て感じたんですね。
なんかもう、実力があるとかないとかは実際どうでもいいんですよ。ぷよぷよを通して当人にとって大切なものを得てくれたことが僕は嬉しくてたまらない。
それを形にして、結果として、残せたことを本人も「ぷよぷよを続けてきてよかった」という気持ちで伝えている。彼がそういう体験を広める側にようやくなってくれた。
彼自身がそう捉えてくれていること自体が、僕の涙腺を緩ませます。これ書きながら泣きそうです。マジで。
ぷよぷよカップとぷよぷよチャンピオンシップ12月度大会2冠達成!!!!!!!ぷよぷよやってきて良かった!!!!!!!!! pic.twitter.com/BnWp8s423F
— delta (@delta_so) 2018年12月16日
僕はぷよぷよで、ただ強いだけの人が見たいんじゃない。人が成長するのを見たいんだ。
選手としての『俺』と観戦記者としての『僕』
土日が大会で消えて月曜がおいうリーグS級の試合っていう発狂スケジュールの中記事を書いてます。
ぷよぷよカップの現地でselvaに「りべさんは負けても切り替えが早いのがすごい」って言われたんすよ。なんか最近すごく持ち上げてくるなあいつ。それとも煽りか?
これって、選手として勝つことだけを考える俺と、プロや観戦記者としてファンに接したり大会を楽しむ僕が完全に別物ってだけなんですよね。
今回も飛車ちゅうに負けたときの俺なんかは、自分の不甲斐なさにめちゃくちゃイラついてるような小さい人間です。表面には出さないですけど。
(余談ですけど、今までのブログ記事についても記事作成者としては『僕』、いちプレイヤーとしては『俺』を使ってます)
さっきの心構えの話になるんですが、観戦記者としての僕の気持ちが混じってると、自分が主役には絶対なれないんですよね。
大会に参加しながら、俯瞰的にどういう記事を書こうか、誰をピックアップしようか考えてしまっている。
自分が活躍するよりも、人が活躍するのが嬉しくなってしまっている。選手としての自分がどんどん他人事になっていく。
『覇王の慧眼』を書いてるときにぼんやり思ってたのもそういうことでして。
第2回おいうリーグには参加せずに、記事作成者として大会を盛り上げていこうと考えた。その時は、それが一番必要なことだったから。
別のことを並行してしまうと、どうしてもプレイヤーに集中できなくなる。納得のいくプレイができなくなってしまう。
求められているのは、俺のプレイなのか。僕の記事なのか。
本当に力を注ぎたいことは、なんなのか。
僕自身も、土下座しながら銀だこを食べていたもこうさんと同じように進退を考えるフェーズに来ているのかもしれません。
もこうさん、今回明らかに動きに迷いがなかったんですよ。なんかfron積みまで組んでるし。明らかに練習してた。
さっきも書いた通り、ぷよぷよを通しての人の成長を見るのが好きな僕は、こういうところにグッときちゃうんですよね。
だからなのかはわからないけど、生放送の会場、プロがみんなしてもこうさんを応援してたのがすごかった。
やっぱぷよぷよってあったかいんやなって。
セガからの景色ってきれいなんやなって pic.twitter.com/khg14PJXIA
— fron (@fron_puyo) 2018年12月16日
それじゃあまた。