冨樫義博の「HUNTER×HUNTER」という作品を読んだことがあるだろうか。
作中における「ハンター」と呼ばれる資格を持つ者達が、
『念能力』と呼ばれる特殊な力を駆使して戦う、そんな感じの作品だ。
『念能力』とは、人間だれしもが持っているオーラとよばれる生命エネルギーを、自在に操る能力のことである。
彼らが持つ能力は様々だ。
そして彼らが『念能力』に目覚める共通したきっかけは、強いイメージと過酷な鍛錬。
心当たりはないだろうか。
ぷよぷよの上位プレイヤーも、この二要素を満たしているということに。
あまりにも非現実的な話だとは思うが心して聞いてほしい。
物語の中の彼らと同様に、
ぷよぷよを愛する者達、
ぷよぷよに生きている者達もまた、
『念能力』に目覚めているのだ。
以下、作中にある念能力系統分類である
六性図に沿って説明していくこととする。
・ぷよ六性図
発現する『念能力』には個人の特性、性質に依る比重がとても大きい。
おおまかに上図のような、六系統に分類される。
以下は私が独自に研究を重ねた、個人の性質と能力の相関に関するデータである。
強化系
プレイ:大連鎖を組む、本線を伸ばす、火力偏重
性格:単純一途、芯が強くブレない、主人公気質
代表格:《破天の剛拳》 delta
とにかく火力。飽和に持ち込み、全てを捻じ伏せる力で完全勝利する。簡素にして最強の能力系統。その力を蓄えるまでの過程を、どのようにカバーするかが問題。
変化系
プレイ:中盤が得意、柔軟な形、発想の転換
性格:自ら人に合わせる、吸収力が高い、周囲に流されやすい
代表格:《鎖錠の領域》 live
変幻自在なスタイル。中盤を主とするが、相手の状況や能力に応じ、自らの戦い方すらも変化させることを厭わない。適応できるときとそうでないときのムラが激しい。
具現化系
プレイ:独創的な形、見えにくい連鎖、セカンド
性格:マイペース、自分の世界を作る、一つの物事に打ち込む
代表格:《屹立する天空の塔》 ぐっくる
独自のフィールド展開を作り上げる。構築された幻の世界は、他者の眼に真実を見抜かせない。ただ同様に自身の脳にも負荷をかけるため、扱いが困難なのがネック。
放出系
プレイ:潰しが得意、見切り発火、形勢判断
性格:目立ちたがり、自分を気取らない、気配りが上手
代表格:《無尽蔵な弾薬庫》 selva
積極的な小競り合いを好む。手筋の広さ、迅速な判断で的確に相手の虚を突き、強引に有利をもぎ取って勝利へと導く。じっくりと長期戦を構えてくるスタイルが苦手。
操作系
プレイ:早い操作が好き、相手を動かすプレイ、騙し
性格:自らが環境を選ぶ、リーダーシップ、干渉しがち
代表格:《光速徴収》 ざいろ
圧倒的な操作精度と速度により、使えるリソースを常に確保し続ける姿はまさに覇王。先手のプレッシャーを与えることに長けるが、後手に回る展開はやや不得手か。
特質系
プレイ:既存概念にない戦術、多岐に渡る特性の変化
性格:ミステリアス、天才肌、周囲を意に介さない
代表格:《純真なる殺戮者》 凸凹マスター
信ずる道を往く求道者。形であったり、時間であったり、概念であったり、それぞれの切り口から新発見を手繰る者達。彼の場合はとにかくプレイの効率化を極めた。
A級と呼ばれる人間たちは皆この六系統のうち特出した何らかの能力を有している。
S級と呼ばれる人間たちは複数の能力を網羅しているのが当然となる。
今後の更なる能力開発研究が待たれる。
日付の通り、ウソというにもあまりに稚拙なウソなんですけどね。
ただ全部が全部荒唐無稽かって言うと、あながちそうでもないんですが。
ぐっくると僕なんか、お互いに変化系と具現化系を行ったり来たりしてそうですし、
そもそも「特質系!?特質系ってなんだ…??」っていう苦しさが垣間見えます。
ここから真面目な話。
もともとはこれ、2016夏ぐらいに、TOP(東京理科大のぷよサークル)の合宿で
もしかしたら講座とかやることになんのかな~と思って考えてたネタで。
実際は座学みたいなことをするわけでもなかったので、無事お蔵入りしたと。
僕自身はあまり人にぷよを教える性質ではないのですが、
もし教示する立場になったのなら『人の興味・関心を刺激する』のが第一だと考えています。
だって想像したらイヤじゃないですか。
楽しんで強くなりたいと思って教わりに来てるのに、
自分の弱点ばっかりあげつらわれて、「お前はこれだからダメだ」なんて言い方されたら。
僕なら10秒でブチ切れて帰ります。
だからまずは、上達したいと考えている人の
【得意なこと、好きなこと】を探す作業から始めるんです。
これが、思ったより自分でもよく理解していない人が多くて。
上で挙げたような性格とプレイスタイルの結びつけなんか、
興味関心のとっかかりを引き出すためのちょっとしたガイドラインに過ぎないんです。
ほとんど、占いみたいなもんですね。
得られる反応が「ほんとかなぁ~…」でも「そういうところある…」でも、
それぞれが自分の【得意なこと、好きなこと】と照らし合わせることになるので、
自己理解を深めるきっかけとしては十分すぎる成果です。
自分のプレイ、性質、目指したい方向性の自己分析が進む。
それが、具体的な短期目標に繋がり、モチベーションの持続にも繋がる。
もうこれだけでいいこと尽くめです。
さて、これだけでは個々人の好きなことをやってるだけなので
一つの分野のみに特化したプレイはできるようになりますが、
大幅な上達は見込めません。
実は、ここで効果抜群な『裏技』があります。
それが、『ジグソー法』と呼ばれる手法。
こいつは僕が思いつきでパッと出した造語とかじゃなく、
れっきとした学習法の一つです。
[知識構成型ジグソー法]
簡潔にまとめると、
特定分野のエキスパート達を準備し、互いに自らの理論を説明することで
深い知識の理解と考え方の育成が見込めるというような内容です。
ここで何が一番重要かというと、
自分が好きで特化してきたことを自分の言葉で伝えるということです。
決して教わるだけの受け身にはならないということ。
本当にこれチート染みた手法で、基本ゲームのこと考えてるだけなのに
コミュニケーション能力であったり、思考整理能力であったりの
人間として必要な能力まで養えるという最強の裏技です。
これを似たようなことを自然とこなしていたのが、
黄金世代(81世代?)の四強や、
momoken世代(89世代)の若手三強など。
彼らは個々人が特別な強みを持っていたのに加え、
互いに影響を受け合い技術の相互補完を進めていきました。
結果は言うまでもないと思います。
今回の話まとめ。
・本人の性質はプレイスタイルに大きく影響する
・まずは自分を理解し、得意なことや好きなことに特化してみる
・より強くなりたいなら、特化した人に自分の意見を伝えたり、逆に意見を伺ってみる
君も今日から、『ジグソー法』で、
ぷよぷよ的にも、人間的にも、圧倒的成長